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10月31日にリリースされた遊助の新曲は、ド直球のラブ・ソング。『俺と付き合ってください。』というタイトル通り、片想いの相手に自分の想いを告白する楽曲になっている。聴いていて思わず笑みがこぼれてしまうようなカワイらしい世界観は、リスナー自身の“片想い”とリンクすること間違いなし。共感度抜群の遊助らしい楽曲に仕上がった。
Photo:松井伴実 Text:髙橋栄理子

──今作は久々のド直球のラブ・ソングになりましたね。これは、どういうふうにでき上がっていった楽曲なんですか?



「9月30日までツアーをやっていたんですけど、ツアー中って目の前に応援してくれる人たちがいて、声援を感じることがずっと続くじゃないですか。だから、この時期って言葉が出てきやすいし、やっぱり、その人たちに少しでも寄り添うようなメッセージをって考えるんですよ。でも、今年はあえてそこをラブ・ソングにしてみない? ってスタッフに言われて。それを聞いて、そういえばシングルの表題曲でラブ・ソングって最近なかったなって僕自身も思ったんです。それで、じゃあ、やってみようって思いました。しかも、どうせ作るならド直球なものにしたかった。四の五の考えたり、オシャレに作ろうとしたりしないで、あったかくって、こいつカワイらしいなってみんなに感じてもらえるような曲になったらいいなって思いましたね」



──ライブに来てくれていた人たちのことをイメージしながら書いたんですね。

「そうです。女の子や男の子やカップルで来てくれていた人たちが歌いたくなったり、おじさんやおばさん、おじいちゃんおばあちゃんだったら昔を思い出せる、そんな曲を作りたいなって思っていて。そのためには聴いた人誰もが想像できるような日常を切り取った歌詞がいいなって思ったので、“駅”や“ベンチ”“最近よく目が合うな”っていうような、みんなの身近にあったり経験したことのある出来事を取り入れてみたんです。ただ、片想いって難しいんですよ。片想いでも自分の中で勝手に想っているだけだったらそうでもないんですけど、告白の場合は無責任っていうか、こっちから相手にボールを投げることになる。好きだから、あとはイエスかノーかハッキリしてください! って、ある意味、自分の気持ちを押し付ける行為なので、一歩間違うと気持ち悪い人になりがちなんですね(笑)。そこが大変でした」

──確かに。それでも告白をテーマにしようと思ったんですね。

「だって、あまりないでしょ? “付き合ってください”っていう曲(笑)。これが“結婚してください”だったら、わりとやりやすいんですよ。付き合っている同士の物語があって、改めて“結婚してください”っていう流れになるので。でも“付き合ってください”の場合は、相手が自分のことを好きかどうかも分からないわけですからね(笑)。歌詞の中に“最近バッタリ駅のホームで会うのなんでだ?”っていうフレーズがあるんですけど、それって本当はバッタリじゃなく、その人に会いたくて時間を合わせてるんですから。あるでしょ? そういうこと」

──あります、あります。

「片想いって、そういうものですよね。でも、“最近バッタリ駅のホームで会うのなんでだ?”の答えが“それは君と時刻表を合わせているから”だと気持ち悪くなっちゃう(笑)。だから“それは君が座るベンチの前を歩くせい”っていうふうに、たまたまだけど、みたいなフリして、いつもその子の前を歩いてるんだろうな、カワイイなって思ってもらえるようにしたんです」

──その試みは成功してますよ。恋愛初期のあるあるがいっぱいあって、聴いていてキュンとしました。



「本当に? 良かった!」

──この曲の主人公は男の子ですけど、女の子にしても当てはまると思います。

「そうなんですよ。例えば“最近男前のあいつ連れて来ないのなんでだ?”っていうフレーズがあるんですけど、それって男はそんなにしないんですよ。これはむしろ女の子あるある。好きな男の子と一緒の場には、あきらかに自分よりカワイイ子は連れてこないって聞いたので(笑)、女性に共感してもらえるかなって思って入れたんです。結局人を好きになるって、思いやりとワガママの狭間にあるものじゃないですか。でも、しつこく感じたり、重すぎるような印象にはしたくなかったから、どうしたらこの主人公がワガママじゃなく相手を思いやる人間に見えるだろう? 聴いてくれる人にカワイく感じてもらえるだろう? って、かなり考えましたね」


※続きは月刊Songs2018年12月号をご覧ください。

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