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鉄拳が2013年に信濃毎日新聞との企画として発表したパラパラ漫画が待望の実写映画化。リンゴ農園を営む優しい両親とその一人息子・拓也の心温まる今作で、上京してバンド活動をしながら夢を追う主人公の拓也を演じた岡田将生に、撮影を通して感じたことや劇中で挑戦したギター演奏についてなどを語ってもらった。
Photo:松井伴実 Text:奥村百恵

──鉄拳さんのパラパラ漫画が原作ですが、最初に読んだ時の感想からお聞かせいただけますか。



「温かい家族の物語に引き込まれましたし、すごく素敵なパラパラ漫画だと思いました。僕にとって家族はとても大切な存在なので、ぜひこの作品に参加したいという気持ちになりました。あと、劇中にパラパラ漫画が登場すると聞いていたので、今までそういう映画を観たことがなかったですし面白そうだなと思いました」

──拓也が両親に対して反抗的な態度をとってしまう場面もありましたが、岡田さんご自身も反抗期だった時期はありましたか?

「ありました。両親が自分のためにしてくれることでも少し疎ましく感じてしまったり、両親だけじゃなく姉も僕のことを気遣ってくれているのに、それすらうっとうしいと感じてしまったり。でもそれはきっと誰もが経験することだと思いますし、年を重ねていくと後々そのありがたみが分かってくるんですよね。今でも母親から昔言われた言葉で助けられたと実感することもありますし、口数の少ない父親が放った一言がずっと心に残っていたりもして。そういうことの積み重ねで家族の大切さをより感じることができるのかなと思います」

──そういったご自身の経験も役に反映させながら演じられたのでしょうか?

「自然に反映された部分もあると思いますけど、僕自身はあまり難しいことは考えずに、原作で描かれていることがストレートに観てくださる方に伝わるように演じていました。拓也が金髪なのもできるだけ分かりやすくというのを目指した結果で、パッと見ただけで何となくキャラクターが伝わりますよね。そんな感じで分かりやすさをテーマに演じるようにしていました」

──拓也は上京してからミュージシャンとして成功したいという夢を持ちますが、東京出身の岡田さんは、拓也のように地方から上京して夢を追っている人をどう思いますか?

「デビュー当時、地方から上京して役者として成功したいという人が周りにたくさんいたので、拓也を演じながらそういう人達のことを思い出しました。彼らはものすごい覚悟を持って上京しているので、もともと東京に住んでいた僕のことをやる気がないんじゃないかと思っていたかもしれません(笑)。僕としては上京組と何一つ変わらないと思っていましたし、夢に向かってアツくなっている姿がダサいとか、うっとうしいと感じることも正直ありました。かと思えば、あのくらい自分もアツくならないとダメだなと反省したり、上京してきた人達をうらやましく思ったり。色んな感情が入り交じっていたのを覚えています」



──当時“この人アツいな~”と思った役者さんで一番印象に残っている方を教えていただけますか?

「溝端淳平くんはものすごくアツかったです(笑)。今もすごく仲良くさせていただいてるんですけど、出会った頃は溝端くんのお芝居に対する熱量に圧倒されていました。それに彼のアツい部分に憧れたこともあります。今では溝端くんと会うと同じ熱量でお仕事の話をしますし、どんなに経験を重ねても情熱を失わずに挑戦しなければいけないなと、溝端くんと話すたびに思います」

──今作ではバンド“超未来戦士”のギタリストとしてエレキギターに挑戦されていますが、どのくらいの期間練習されたのでしょうか?

「1か月もないくらいの練習期間でした。実はギターは石崎ひゅーいさんに教えていただいたんです。来年公開の映画『そらのレストラン』で初めてご一緒したんですけど、すごく仲良くしてくださって、プライベートな時間を削って僕にギターを教えてくださったんです」


※続きは月刊Songs2018年12月号をご覧ください。

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