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ライブなどですでに披露されていた『スプーンの初恋 ~あゝ、好きだよベイベー~』、『届けそこねたラブソング』、カバー曲『恋音と雨空』に新曲『My Sunshine』が加わり、11月28日にリリースされる初のEP盤『うたはつづくよどこまでも』が完成した。この先のさくらしめじの道しるべになるキーワードは“力強さ”。彼らが求めた変化とは?
Photo:大庭 元 Text:大庭利恵

──先月に引き続き『うたはつづくよどこまでも」の中から、今月は『届けそこねたラブソング」と新曲『My Sunshine」のお話をうかがいたいと思います。このEP盤は、バラエティーに富んだ4曲を入れたいという想いからスタートしたんですか?



田中雅功(以下、雅功)「7月に野音(日比谷野外大音楽堂)でライブをやったことで、音楽やライブに対する意識が変わってきたところがあって。あの台風の中でライブをやることになった時、いつもと同じ歌やパフォーマンスではお客さんを楽しませることはできないと思ったし、僕らが本気で楽しい気持ちになって、みんなと一体にならなきゃ無理だと思った……いや、思ったというより、自然とそういう意識で動いてたんです。それまでも、もちろんライブは楽しかったし、熱を込めてやってましたけど、頭のどこかに次の段取りや失敗しないようにという気持ちがあったんだなって気づいて。純度100%ライブを楽しむってこういうことなんだって分かったんです」

──あの悪環境を乗り越えるために、無意識のうちに100%以上の力を出してたんでしょうね。

雅功「はい。野音以降は、ワンマンだけじゃなく、フリーライブやイベントも、“大丈夫かな”という気持ちはなくなって、“ワクワク”と“早くみんなの前に出たい”という気持ちばっかりになってるんです。だから、このEP盤は、そういう気持ちを表現できるものにしたいねという話から、“歌の輪”をモチーフにするのはどうかって話になったんです」

──さくらしめじの歌の輪が広がっていくように。

雅功「歌の輪が広がり、さらに繋がっていく感じですね。で、打ち合わせの時に彪我が、指で輪を作って何か考えてるなと思ったら、ぼそっと“『うたはつづくよどこまでも』って、どうかな”って言ったんです」



髙田彪我(以下、彪我)「野音で、一番印象に残ってるのが、みんなの手拍子と歌声だったんです。これからもみんなと一緒に歌い続けたいなって、指で作った輪を見ていたら、走る道が線路、歌が電車なら、ずっとみんなと走り続けられるなって思って」

雅功「すごくいいですよね。その言葉を裏付ける曲として作った『My Sunshine』は、そんな僕らの決意表明だと思ってます」

──みんなと一緒に歌い続けていくという?

雅功「例えば、友達とケンカしちゃって、学校イヤだな、テストつらいなってことを日常的に思いますよね。これまで、僕らはそういう気持ちに“寄り添って”きたんですけど、これから僕らは引っ張っていけるようになりたいと思って、この曲には力強さがほしいと伝えました」

──これまでだったら、そういうイメージは疾走感ある曲で表現していたと思うけど、今回は4つ打ちで。



彪我「そうなんです。これまでと違うタイプの楽曲にすることで、新しさを表現できると思って」

雅功「彪我は10月で17歳になったし、来年には高校3年生ですからね。これまでの僕らをベースに新たな一面を見せるには、新しい風がほしいなと思って」



──最初に歌詞を読んだ時の印象は?

雅功「“小聡明い(あざとい)”って漢字でこう書くんだ! ですかね(笑)」

彪我「最初は、そこに目を奪われるよね(笑)。僕は、走っている先に光があるというイメージでした。大人になることへの不安とか、一歩ずつ前に進んでいく中でぶち当たる闇から抜けた先にある光。自分の人生を動かすのは自分の意思だということを伝える歌詞なのかなって」


※続きは月刊Songs2018年12月号をご覧ください。

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