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男性アーティストの楽曲をBENI自身が英語詞に訳してカバーする大ヒットシリーズ『COVERS』。早くも第3弾となる今作ではファンからのリクエストにも応え、これまで以上にバラエティーに富んだラインナップとなっている。確かな表現力を持つシンガー/アーティストとして、その魅力をますます輝かせている彼女も2014年はいよいよデビュー10周年。新作『COVERS 3』に込めた思い、そして来たるべきアニバーサリーイヤーに向けた思いを聞いた。

──BENIさんにとって2013年はどんな年でしたか?

「本当に次から次へと展開があって、色んなことをいっぱいやったなぁと思いますね。と言っても、まだまだ振り返っていられないくらいバタバタしてますけど(笑)」

──『COVERS 3』もいよいよリリースですしね。

「はい、今回もかなりバラエティーに富んだ選曲になりました。今回はファンの皆さんからのリクエストも募集したんですけど、この『COVERS』というコンセプト・アルバムがどれだけの人に求められていたのかを今さらながら実感しましたね。この『COVERS 3』もみんなが愛するアルバムにするために、皆さんの声を聞かせてもらったんですけど、結果的にはものすごい数のリクエストをいただきました。その中でもすごく多かったのが『愛唄』でしたね」



──『愛唄』はアレンジも大胆に、ガラッと変えてありますね。

「そうですね、今回は結構攻めてみました。こういうのって、ずっと一緒に時間を過ごしてきた好きな人の、今まで見たことのない一面が見えた瞬間みたいじゃないですか(笑)?」

──確かに! 本当に好きな人にしか見せない表情かもしれないし、本当にその人の良さを理解していないと引き出せない表情だったりしますよね。

「そうそう。そういう時に躊躇しないで、思い切って踏み込むことが大事だったりもしますよね。今までだったらもうちょっと悩んでいたかもしれないけど、今回は “ガラッと変えたい!”“こうしたい!”っていう気持ちが強かったんです。やっぱり『COVERS 3』も3枚目になりましたから、“より大胆になったね”ってみんなからも言われています」



──3枚目ということで、自分流のやり方みたいなものもできてきました?

「さすがにこれだけやってくると、訳詞のコツというか、歌詞の内容について見えてくるものがあったりはしますよね。このスタイルにちょっとは慣れてきたかな? っていうのは今回やっと感じましたけど、それでも時間はすごくかかるし、1曲1曲に対しての思いは毎回変わりませんからね。そういう意味では、今回も訳詞には悩まされたりもしました」

──BENIさんが書かれているのは日本語の歌詞をそのまま訳したものではなく、オリジナル曲の世界観を伝えるものですからね。『COVERS』シリーズは、海外の方にも日本の曲の良さを伝える役割を果たしているのだと思います。

「やっぱり、私にしかできないカバーということをすごく考えますよね。適当にカバーして歌うのではなく、“こういう曲だったんだ”ってしっかり理解してもらえることが一番の役割だと思っているので、原曲のファンだけじゃなく、もっと大きなものになっていってほしいなという気持ちで作っています。色んな人達に、世界中の人達に聴いてもらいたいなという思いで」



──さて、今回の選曲を見ていて一番驚いたのは『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント〜』でした。BENIさんが歌う『ワインレッドの心』なんて、想像しただけでうっとりしちゃいましたよ(笑)。

「その2曲は、私も特にお気に入りなんです。『ワインレッドの心』はアコギと歌を同時に録ったのですが、そのライブ感がこの曲の情熱をすごく伝えているんですよね。このアルバムの中でも特にポイントとなる歌です。『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント〜』は本当に楽しかった(笑)! かなり言葉を詰め込んでまくしたてる部分があるんですけど、そこもBENIバージョンで頑張りましたから、ぜひチェックしてもらいたいんですよね(笑)」



──そして今回はBENIさんの故郷・沖縄出身のアーティストの曲も2曲ありますね。

「はい、『島人ぬ宝』と『花』を歌っています。『島人ぬ宝』では、(オリジナルにある)“イーヤーサーサー”っていう掛け声を入れるかどうかも悩みましたし、三線をポロッと入れてみるかも迷ったんですよ。でもこの曲のアレンジはあえて引き算をして、メロディーの美しさを立たせてみました。詞のほうも思い入れのある歌なので、それこそ沖縄にいる外国人の方にもこの歌のメッセージがしっかり伝わるようにというのを心掛けて訳しました。『花』ではラップに挑戦しているんですけど、予想以上に苦戦したんです(笑)。すっごい余裕な感じで“今日はラップ、かましちゃうから!”って(歌入れに)行ったんですけど、このアルバムの中で一番時間がかかった(笑)。ラップって、いわゆるメロディーが決まってるわけじゃないでしょう? 自分なりにメロディアスにしてみたり、かなり細かくやってますので、ここもぜひ聴いてみてください(笑)」

※続きは月刊Songs1月号をご覧ください。

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