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スマッシュヒットとなったシングル『ビーサン』『I×U』を含むSilent Siren(以下、サイサイ)の2ndアルバム『31Wonderland』(サーティーワンダーランド)。ライブを意識しながら作り上げたという本作は、ジャンルの幅広さだけでなく、ポップなものはますますポップに、バラードもロックもより鮮やかな色彩で個性を打ち出している楽曲ばかりだ。3月からは全国ツアーがスタートし、5月には日比谷野外大音楽堂でのワンマンも決定! バンドとしてまた一歩大きく前進する彼女達から目が離せない1年になりそうだ。 Photo:笹原良太 Text:山田邦子

──『31Wonderland』、無事に完成しましたね!



ひなんちゅ「はい! レコーディングはツアーをやりながらだったので、とにかく大変でしたね。でも、色んな方から“バンドっぽくなったね”って言われるのがすごく嬉しくて。やっぱりこれまでは音のキラキラ感というか、シーケンス感みたいなのが目立っていたからだと思うけど、今回はもちろんそういう部分もありつつ、どちらかというとロックな要素も増えた。そこがすごく変わったと思うし、よりバンド感ってところに繋がったのかなと思いますね」



すぅ「今回は曲も多かったから、ずっとレコーディングしてる感じだったよね?」



あいにゃん「うん。特にリズム隊は、寝る時以外ずっと一緒にいた気がする(笑)。タイトだったけどしっかり時間をかけて作れたので、すごく濃いものができました」



ゆかるん「この1年はワーッと駆け抜けてきた感じだったけど、今回このアルバムを作れたことで、1年前の自分達からどれだけ成長できたかを実感することができた気がしますね。本当に自信作になりました。これまで興味がなかったっていう人にも、“1回聴いてみてください!”って言いたい。そんな1枚です」

──今回は何かコンセプトを持って制作を始めたんですか?

すぅ「はい。そのコンセプトがアルバムのタイトルでもある“31Wonderland”。聴いてくれる人がサイサイのワンダーランドに迷い込んだような、引き込まれるような感じになってくれたらいいなと思って作ったアルバムです。リードトラックの『ぐるぐるワンダーランド』は、まさにその世界観を表した1曲。いつものようにカワイイ曲もあればロックな曲もあり、バラードもあるんですけど、1stアルバム(2013年4月リリースの『Start→』)よりももっと色んな面が出せたんじゃないかなと思いますね」

──幅も広がっているんだけど、その1曲1曲の色がしっかり濃くなったなという印象を受けました。

あいにゃん「ありがとうございます! それはすっごく嬉しいです」

──では収録曲を見ていきたいんですが、1曲目はインストの『31Entrance』で始まりますね。

ひなんちゅ「ここはすごくこだわりました。いきなり始まるのではなくて、ワンダーランドの扉を開けるようなイメージにしたかったんです」

──すごくワクワクするオープニングになりましたよね。個人的には『ぐるぐるワンダーランド』で始まると思っていたけど、意外にもアルバムの最後だったのでここはちょっとビックリでした。

すぅ「ライブのアンコールみたいなイメージなんですよ。ここでもう1回盛り上がって、タオルとかぐるぐる回しちゃって締める、みたいな」

あいにゃん「まだまだ! もっともっと! ってね」

──『ぐるぐるワンダーランド』はゆかるんの作詞ですね。

ゆかるん「今まで作詞に対して苦手意識があって、できれば避けたいぐらいの感じだったんですけど、今回初めてやってみました。曲を聴いた時にパーッと楽しくてカワイイ感じが浮かんできたんです。女の子って好きな人の前では本当の自分が出せなかったり、恋しているからこそ悩んだり迷ったりするでしょう? それをカワイくファンタジックに描きたいなと思って書きました。ライブでも盛り上がれる1曲ですね」

──ライブと言えば、あいにゃん作詞の『「Are you Ready?」』も全て忘れて盛り上がろう! っていう勢いが詰め込まれていますよね。

あいにゃん「ライブハウスにいる時だけは、普段のストレスとか人間関係の悩みとか、全部取っ払って楽しもうよって気持ちを込めて書いた曲です。ちょっと強気な言葉も使ったりして、勢いのある感じで。私達からのメッセージって感じです」

──後半に出てくる各パートのソロも、かなりロックな感じでパンチがありました。

あいにゃん「こういうの、すごいやりたかったんですよ」

ひなんちゅ「1曲の中に全員のソロパートがあるのは初めて。でも、もし今後この曲をライブでやるとなったら、その日1日不安になっちゃう(笑)。ソロだし、テンポも速いので、リズムをキープしながらカッコいいフレーズを気持ち良く叩くって、すごくツラいんですよ(笑)。だけどこういうソロってライブの面でも惹き付けられるし、引き出しとしても面白いことができそうなので、今後はどんどんやっていきたいなと思いましたね。そういう挑戦がこのアルバムにはいっぱい詰まってると思います」

ゆかるん「キーボードも、いつもはピコピコしたカワイイ音が多いけど、今回は音色の面でもカッコいい感じに挑戦しました」

すぅ「バンドとして、みんなの見せ場があるのは楽しいね。ギターはチョーキングとかも使ってみたんですけど、みんなも色んな技を入れてるし」

あいにゃん 「ベースもスラップをやってるしね。やっぱりライブをたくさんやってきたので、そういうイメージを持って作れたのも今回は大きかったかも」



──個人的には、ひなんちゅが作詞した『マイルストーン』は野音で聴けたらいいなぁと思いましたよ。ちょっと日が暮れ始めるくらいの時間に。

すぅ「それ、ヤバそう!」

あいにゃん「いいねー!」

ひなんちゅ「この曲、イントロとアウトロが付いて、聴かせる系のミドルバラードになりました。ストリングスも入って、より壮大になりましたね。ところで野音って何区ですか?」

──(一同爆笑)。たぶん千代田区だと思いますけど、なぜ今その質問を!?

※続きは月刊Songs3月号をご覧ください。

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