http://www.takahashiyu.com/
高橋優のニュー・アルバム『今、そこにある明滅と群生』は、初の日本武道館公演を終え、新たなモードで臨んだ曲作り期間に生まれた作品だ。“『高橋優』と名付けても良かった”と語るほど、ありのままの自分自身が反映されているという本作。音楽に対する現在の気持ち、タイトルに込められた思いなどをじっくりと語ってくれた。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──前作『BREAK MY SILENCE』(2013年7月)からちょうど1年。初の日本武道館公演(2013年11月24日)などもあり、あっという間だった気がします。



「僕は…あっという間でもなかったかもしれないです。前作をリリースしたあとにホールツアーをやらせてもらったんですけど、それが僕の中ですごく大事だったんですね。ライブハウスツアーをやらせてもらった直後だったので、ホールツアーに対しての価値観も変わっていたから、やっていてすごく楽しかったし、勉強することもたくさんあって。と同時に、曲が全くできない期間が始まったんです。苦しい状況の中で頑張って『旅人』(2014年3月に両A面シングルとしてリリース)を書いて武道館を迎えたので、濃厚でした」

──なるほど。武道館を終えたあとは曲を作っていたんですよね?

「はい。このアルバムに向けての曲作りとプリプロを同時進行していたのですが、どれも難航したんですよ。簡単に、スッとはいかなかった。楽しかったですよ。楽しかったけど悩みながらだったので、あっという間というよりは、こってりしたものをゆっくり食べたみたいな感じでしたね(笑)」

──その後リリースになったシングル『太陽と花』(2014年5月リリース)の取材時には、音楽を楽しみたい、当たり前でいいからありのままを歌いたいという話をされていましたね。



「あの頃はようやく楽しくなってきてた時期で、今はもっと楽しいです。以前は、そういうことが分からないまま“楽しまなくちゃ”と思っていたんですけど、今はこの濃厚でこってりした時間を過ごさせてもらったこともあって、心からすごく、音楽って面白いなとかライブできるって楽しいなって気持ちが芽生えてきている気がします」

──その意識の変化は大きいですね。

「大きいと思います。自己改革キャンペーンというか(笑)、人生そのものをもっと良くしたいっていう思い──社交的になるとか。前はそういう努力って、音楽とは関係ないだろうと思っていたんですよ。“それとこれとは”って分けていたんだけど、僕の場合は全部地続きというか一緒なので、プライベートが充実してくるとライブとか楽曲も充実してくるんですよね。っていうことを最近思ってきていて、人とご飯を食べたり、こっちから色んな場所に行ってみたり、自分の中での新しいことを始めたり、そういうことをやって良かったなと思いました。つまりは、心を開いて生活するってことですけどね」

──その結果がものすごく表れたアルバムですよね。

「ですよね!?」

※続きは月刊Songs9月号をご覧ください。

X Close

Topページを開く