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4thアルバム『Song for You』(2012年9月)以来、約2年振りとなるオリジナルミニアルバム『Sogno(ソーニョ)〜夢〜』を藤澤ノリマサがリリースした。全6曲中5曲がオリジナル曲な上、ボーナストラックとしてタイトル曲のイタリア語バージョンも収録した意欲作。藤澤ファンならずとも必聴の1枚だ。
Photo:駒井夕香 Text:髙橋栄理子

──今回の『Sogno〜夢〜』は、オリジナルアルバムとしては約2年振りのリリースとなりました。



「僕も去年デビュー5周年を迎えまして、自分で曲を書くことも多くなってきたんですね。それで、1つ1つの曲に時間をかけ、じっくりといい作品を作ろうっていうスタンスになってきたんです。でも、やっぱりリリースがないことには寂しい気持ちもありましたし、ファンの皆さんも“新曲はまだですか?”って、すごく言ってくださるんですよ。それがありがたかったですし、今回久し振りに新譜を出すことになって、作品をリリースできることの喜びを改めて感じていますね」

──しかも、まさに今“自分で曲を書くことも多くなった”とおっしゃった通り、今回の作品は12枚目のシングル『Hasta La Victoria〜『アイーダ』より〜』以外は全てオリジナルソングになっていますね。



「はい。今回は、純粋なオリジナルアルバムを作りたいというところから始まりました。バラードが中心になったアルバムで、曲は全部自分で書いていて、歌詞もタイトル曲の『夢』は僕が書いたんです。僕はポップオペラというものをデビュー当時からやってきただけに、やっぱり自分のオリジナルのポップオペラを作りたいというのが最大の目標だったんですね。もちろん(クラシックの)モチーフを使った曲は今までも自分で作ってきていたんですけど、6年間いろいろ経験していく中で僕も多少なりとも成長した結果、オリジナルのポップオペラにするのに一番適した『夢』という曲ができたんです」

──『夢』はボーナストラックとしてイタリア語バージョンも収録されていますが、これも新しい試み。同じ曲なのに、日本語バージョンとは違う曲に聴こえました。

「今まで同じメロディーで2か国語で収録するっていう発想はなかったんですよ。でも、この『夢』はイタリアで作った曲だったので、どうしてもイタリアの言葉で歌いたかった。そうすることで向こうの言葉が持つラテン語の響きが加わって、また違う味わいが出ますから。ただ、僕はイタリア語は話せないので、大学時代の恩師でイタリアオペラ専攻の先生に訳詞をお願いしたら、快く引き受けてくださったんですよ」

──この曲のために訪ねて行ったんですか?

「いえ、実は今年はノーマイクというマイクを使わないクラシックコンサートを3本やらせてもらっていて、その中にはイタリア古典の曲もあったんです。それでその先生のレッスンを受けに行ったんです。その時にオリジナルでもイタリア語で歌えたらいいなっていう雑談をしたのが、そもそものキッカケになりました。でも、先生も作詞をするわけではないので、まず僕の詞を先生がイタリア語に直し、それとメロディーを僕の後輩の旦那さんであるイタリア人に渡して歌詞にしてもらったんですよ」

──色んな方に協力していただいて、イタリア語バージョンが完成したんですね。同じ曲を日本語とイタリア語の両方で歌っている曲って、なかなかないので新鮮でした。

「僕も、何で今までこれをやらなかったのかなって思いました(笑)。それに、この曲は非常に普遍的なことを歌っているんです。僕の曲には恋愛のものが多いんですけど、この曲のテーマは、まさに“夢”。誰もが持つものになっています。僕はデビューから6年間歌い続けてきて、夢を描くこと、ビジョンを持つことは1秒も忘れたことはないんですね。それくらい“夢”が僕の中で基本になっているから、皆さんにもこの曲を聴いてもらうことで、例えば壁にぶち当たった時にも、また頑張ってみようかなって思ってもらえるといいなって考えています」

──すごく前向きなメッセージがある曲なので、勇気づけられると思います。



「人生讃歌みたいな感じですからね。自分が50歳、60歳になった時に歌える曲って限られてくると思うんですけど、やっぱり普遍的な題材は年齢を重ねても歌えるはずなので、そういう生涯歌える曲を書くことは、今後の課題になっていくと思います」

──ちなみに、先ほどおっしゃっていましたけど、『夢』はイタリアで作ったんですね?

※続きは月刊Songs12月号をご覧ください。

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