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家入レオ、8枚目となるシングル『Silly』。表題曲はTBSテレビ系金曜ドラマ『Nのために』の主題歌として書き下ろされたもので、感情よりももっと深い、人間としての宿命のような部分を見つめた新境地のバラードだ。12 月に20歳の誕生日を迎える彼女にとっては、これが10 代最後のシングル。言葉と歌、その圧倒的な表現力に息をのむ作品となっている。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──新曲『Silly』はドラマ『Nのために』の主題歌ですね。



「はい。私は原作を書いた湊かなえさんが大好きで、これまでの作品も色々読んでいたんです。なので、今回のお話をいただいた時はすごく嬉しかったですね」

──今回の原作にはどんな印象を持ちましたか?

「畏れ多くも“あぁ、すごい挑戦をしていらっしゃるんだな”っていうことを感じました。たぶん、これは全部理解されなくてもいいと思って書いていらっしゃるんじゃないかなと思ったんですよ。自分もデビューして、色んな人に向けて歌詞を書くようになったからこそそう思えたんですけど」

──1から10まで説明するんじゃなく。



「そう。自分なりに解釈してくださいっていう、ある意味答えを記していない純愛ミステリーだなと思いました。だから私が歌詞を書くにあたっても、この道でと限定されるのではなく、自分の解釈で書くことができたから、大きなテーマで、自分らしいものにできたと思っています」

──楽曲を最後まで聴くとそれがよく分かりますよね。シリアスなムードで来ているのに、最後の最後でフッと聴こえるメジャーコードがすごく意味深で。

「そうなんです。メジャーコードに変わっているということだけで、あえて光とかそういう言葉は使ってないんですよね。でもイメージがグッと広がるというか」

──今回、歌詞を書くにあたって大事にしたのはどういう点ですか?

「主人公達は自分の大切な人を守るために、嘘とか罪をどんどん重ねていくんですね。普通、嘘と人を守ることって対極だと思うのですが、そこをイコールで結んでしまう人間の切なさとか、愚かさを表現できたらいいなと思いました。人って、大切なものを守りながらも孤独を感じていたり、満たされない何かを持っていたりしますよね。例えば好きな人と結婚できたらそれだけで満たされるはずなのに、いざ結婚したら欲張りになって、もっともっと…になる」

──なりますね。



「私は今まで、心の隙間を埋めてくれるものは愛だと思っていたんです。だから『Bless You』(2012年9月)でも“愛がほしい”って歌ってた。『サブリナ』(2012年2月)もそう。でもここにきて、愛じゃないのかもしれないなと思ったんです。とはいえ、何が自分を満たしてくれるのかも分からない。だからサビで“何かを求め 確かめたくて 今日を生きてる”という歌詞にしたんです。今までだったらきっと、“何かを求め”ではなく“愛を求め”だったんですよね。これまで一貫して“愛がほしい”って歌ってきたわけだから、最初はすごく悩みました。ぼやけてしまいそうな気がして。でも、一番心に届くのは真実の気持ちだと思うし、その瞬間瞬間思ったことを歌にするっていうポリシーは曲げたくないなと思って、ここは“何かを求め”という言葉にしたんです。もちろんそこには愛も含まれているし、愛で満たされる人もいると思うけど、私は愛だけじゃなかったのかもしれないなって思ったから」

※続きは月刊Songs12月号をご覧ください。

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