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型破りな指揮者が率いる貧乏オーケストラが、演奏会を成功させるまでを描く映画『マエストロ!』。作品を通じ、ヴァイオリンとフルートにそれぞれ初挑戦した松坂桃李とmiwaが感じた、クラシックを聴き、演奏することの魅力とは?
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:渥美志保

──互いの印象を教えてください。



松坂桃李(以下、松坂)「miwaさんはこの100点満点の笑顔です。撮影中もちょいちょい遠目から見て癒されていました」



miwa「恥ずかしいです(笑)」

松坂「苦労を表に出さないんですよね。今回の現場では、初めてのお芝居で、神戸弁で──監督の神戸弁指導がこれまた細かいんですが、それにイヤな顔をひとつせず“はい!”って答えて、ポーンとできちゃう。フルートも相当練習したんだろうけれど、それを感じさせない。現場でフッとやれちゃう感じが、プロだなって感じました」

miwa「実際は大変でした(笑)。でもそれを言うなら松坂さんのほうが。撮影がどんなに遅くまでかかっても、ずっと穏やか。イライラしているのを一度も見たことがありません。焦りとか怒りみたいな感情が欠落されているんじゃないかなって」

松坂「ははは、確かに。本当に欠落しているかも(笑)」

miwa「電車で現場に入って、すごいお疲れなのに、帰りも電車の時もあって。明日も早いんですよって、周りが心配になるくらい。すごい方だな、人格者だなって思っていたら、共演者の皆さんも松坂さんのことを、陰で“ブッダ”って呼んでいたらしいです。激しく納得しました(笑)」

松坂「いやいや、そんな(笑)。目指すは、ガンジーです! なんて」

──作品を通じて音楽と関わり、感じたことを。

松坂「楽器の経験は、音楽の授業のリコーダー程度(笑)。クラシックは初めてです。今回の作品で“ヴァイオリンを弾く”と聞いた当初は、“『耳をすませば』の天沢聖司(※スタジオジブリの劇場アニメの登場人物)みたいになれる!「カントリー・ロード」とか弾けるようになったらいいな”という安易な気持ちで。難易度を分かっていませんでした……(笑)」



miwa「私は10歳までクラシックピアノをやっていたんですが、練習が嫌いで(笑)。15歳から始めたギターも、最初の頃は手が痛くなるのがイヤで。だいぶ弾けるようになると、すごく楽しいんですけれど」

松坂「やっぱり段階があるよね。ちょっと弾けるようになって、また少し上手くなるまでって」

miwa「今回練習したフルートも、キレイな音が出るようになって、指が合ってきて、だんだんと楽しくなっていきましたけれど、それまでが。撮影中も、出番の合間はそれぞれの先生について、みんな楽器の練習をしていましたよね」

松坂「誰かがちょっと上達すると、その人の先生が“うちの子すごいでしょ!”って、ちょっと張り合うみたいな感じ(笑)。僕を指導してくださっていた先生の厳しさが日に日に増していくんですよ。合同練習なんかすると“ヤバいな”って感じで、非常に肩身が狭かったですね」

miwa「私の場合、初めてフルートを吹いた日にすぐに音が出せて、先生に“miwaさんすごい! 向いてる!”ってすごく褒めていただいたんです。でも家で練習をしている時に、母と妹が“それ貸して!”って吹いたら、一発で音が出てるんですよ! ちょっと乗せられちゃったなと思いました(笑)」

※続きは月刊Songs2015年2月号をご覧ください。


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