ハナエ *撮りおろし3ページ |
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──2ndアルバム『上京証拠』、いち早く聴かせていただきました。私が言うのもなんですけど(笑)、これは自信作ですね!
「ありがとうございます(笑)。確かに、“どうだ!”って感じ。超自信作です!」
──作りたいものと完成したものに、1ミリのズレもない感じというか。
「そうですね。本当にジャケットも含めて、今一番やりたいことや、もっと前からやりたかったことが今回やれたなって手応えを感じているので、そう言っていただけると嬉しいです。いい意味で頭が柔らかくなったというか、頑なではなくなったからこそ遊べる幅が広がったんですよね。一昨年1stアルバムを作ったり、たくさんライブをやったりしたことで、どれだけ遊んでもブレない軸とか芯ができたし、そうやって遊べるだけのポテンシャルが自分の中にちゃんと積み重ねられたことが大きかったんだと思います」
──あの1stアルバムと今作との大きな違いと言うと、どういう点が挙げられますか?
「1stでは、曲の中に私が入り込んで変身するような感じでしたけど、今回は逆に曲を引き寄せているというか。もちろん、あの『十戒クイズ』では私が意図して変化していくというのがコンセプトではあったんですが、それはもうやってしまったので、じゃあ次はどうする? となった時に、私のパーソナルなところを残しつつ、曲の世界を私が染め上げたいなと。それくらいの気持ちで臨んだのがこの『上京証拠』ですね」
──その『上京証拠』というタイトルも、またすごいインパクトですね。
「私は福岡で生まれ育ったんですけど、福岡から東京へと上京してきて、その東京の中でたくさん冒険をするっていうストーリーを持ったアルバムなんです。どこに行っても私は私だし──それはとてもいい意味なんだけど、逆に自分っていう檻に捕われているっていう考え方もできる。でも檻に捕われているからこそ、自分を守れている──。そういう複雑な今の自分の心境とかも表したタイトルであり、ジャケットのアートワークだったりするんですよね」
──タイトルやビジュアルは、音源ができ上がってから詰めたんですか?
「いや、それぞれがバラバラに進んではいたんですが、曲とか歌詞の中で繋がっていった感じですね。『おとといおいで』と『S-T-A-R-S』のデモは、去年の春とかそれくらいにはあったんです。これは、自分の中のパーソナルな部分が出ている2曲ですね。『おとといおいで』に“あしたはあした わたしはわたしだ”っていう歌詞があるんですが、私は私だっていうのと、私は私でしかないっていう両方を、アルバム全体を通して見せられたらいいなぁと思いました」
──『S-T-A-R-S』は、曲が進むにつれて動けなくなるような圧倒的な世界観がある曲ですね。特にアウトロの部分。あの魔力は一体何なんですか(笑)?