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昨年12月に20歳の誕生日を迎えた家入レオ。2015年最初のリリースとなったシングル『miss you』、そして待望の3rdアルバム『20』には、10代最後の日々と20代の始まりを一歩ずつ歩いてきた彼女の足跡がしっかりと刻まれている。喜怒哀楽では表現しきれない感情、本音、愛、感謝、そして決意。揺るぎない気持ちと変化していく心の両方を真っ直ぐに見つめたこれらの楽曲が、次のワンマンツアーでどのように育っていくのか、本当に楽しみだ。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

 

──シングル、アルバムとリリースが続いていますが、制作は同時進行で?



「はい。私は“よし、アルバムを作ろう”って曲を書くことはあまりないから、どちらも日々の制作でできてきた感じなんですけどね。とはいえ、アルバムのリリースも考えていたので、(1枚の作品として見た時に)足りない曲を作ったりはしました。『20』というアルバムタイトルにふさわしい──大人の責任ってこういうことかと。新しい幕開けだなっていう、新たな気持ちで一歩踏み出せる1枚になりました」

──制作中に20歳のバースデーを迎えてスペシャルライブも行なわれましたが、自分の中で1つ区切りになるようなところもありましたか?



「ありましたね。19歳の時って、常に“20歳になれば”とか“20歳になったら”って言ってた気がしていて、それが今をしのぐための魔法の言葉みたいになっていたんですね。でもあのライブをした時に、自尊心と闘うことって無意味だなと思ったんです。ラクをするとかじゃなくて、ちゃんとやることはやるんだけど、自分を信じきれないってすごく悲しいなと思って。どこまでやっても自分と仲良くなれないとか、そんなんじゃダメだなって。もっとラフな気持ちで色んなことに対して臨んでいかないと、世界がこれから広がらないぞってことに気が付いたんです」

──なるほど。

「ライブに来てくれた皆さんの顔や声を直接感じると、もっともっと心の窓を開いていこうと改めて思ったんです。そうやって、20代の第一歩を踏み出したいなって」

──前作の『a boy』(2014年2月)を作った時は、1枚目のアルバム『LEO』(2012年10月)を引っ提げて行なったツアーでみんなが自分の音楽を受け入れてくれたことが大きかったと言っていましたが、今回もライブから感じたことが大きく影響しているんですね。

「それもありますし、あとは(昨年11月にリリースしたシングルの)『Silly』を作れたことが大きかったなと思っていて。ドラマ(『Nのために』)の原作を読んだりして色んなことを考えた時間だったんですけど、生きていれば分からなくなることもあるんだと。ハッキリ白黒付けられないこともあるんだってことを認められたことによって、すごく表現の幅が広がったんです。全部が全部、言葉で説明できることばかりじゃないんだなってことを受け入れられてからは、今回の制作に対しても、すごく自由になれたんですよね。本当の意味で、大人になることができた気がした1曲だったから」

──『Silly』がなかったら、このアルバムのタイトルも内容もまた違った方向性になっていたかもしれないですね。さて、そのアルバム『20』は先日リリースされたシングル『miss you』で幕を開けますが、これは最近書いたものなんですか?



「曲自体は前からあったんですが、その『Silly』を受け、歌詞はかなりブラッシュアップしました。『Silly』の前までは曖昧なものというのを認めることができなかったので、はっきりとした喜怒哀楽、そのどこかに立って歌っていたんですね。でもこの曲では“笑ってもない 泣いてもない 静かに 僕を見つめる君が〜”って、どこの感情にも属さないような表現ができた。それが自分としてはすごく嬉しかった1曲です」

※続きは月刊Songs2015年3月号をご覧ください。

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