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結成15周年を迎えたHYの今について尋ねた時、「バンドを始めた時よりも、色んな経験を重ねた今のほうが音楽を作っていても楽しいし、充実しているなと感じています」と新里英之は言う。HYのニュー・アルバム『LIFE』には、そんな彼らの人生の様々な経験を通して生まれた曲達が収められている。『TRUNK』(3rdアルバム/2004年7月)以来、11年振りに夏にリリースされるこの新作のテーマは“夏”“海”“沖縄”。夏の海辺が似合うパーティーソングや友への感謝の歌、男女が互いに大切な人へ捧げたラブソングなど、そこにはきっと聴いた人それぞれの人生に重なる歌があるのではないかと思えるアルバムになった。
Text:伊藤博伸

──『LOVER』(10thアルバム/2014年12月)発表後のツアーをはさんで、約8か月という短いインターバルでニュー・アルバム『LIFE』がリリースされます。この活動状況から察するに、バンドは今、相当いい状態にあるようですね?

新里英之(以下、新里)「曲を作ってる時も、アルバムの制作中も、メンバーとのコミュニケーションやスタジオの空気感がすごく良かったですね。それはアルバムのジャケットにもにじみ出てると思うんですけど(笑)。青い海や空、笑顔、自分達のライフ、生活、そして沖縄…自分達の拠点はここだなと思えたから、心が落ち着いて作業に入れたのかもしれないです」

名嘉 俊(以下、名嘉)「ただHYといえば夏で、爽やかで、というイメージのわりには、今まであまり夏にアルバムをリリースしてないんですよ。15周年ってこともあるし、バッといくなら夏でしょ!ということで『LOVER』のツアーが終わってすぐに制作に入りましたね」

──テーマは“夏”“海”“沖縄”ということで!?

仲宗根 泉(以下、仲宗根)「目指せ、夏の歌! という感じでした。でもその時期はまだ若干冬が残っていて(笑)。夏の気分じゃなかったけど、これからやってくる夏をイメージしながら、時にはちょっと冬の影響も受けて切ない曲になりそうにもなったりして。そんな時はみんなでディスカッションして」

名嘉「今振り返ると、よくやったなと思うくらいのスピードで作り上げていきましたね」

仲宗根「ただ『Street Story』(2ndアルバム/2003年4月)のツアーが終わって『TRUNK』の制作に入った時に、何か曲を書かなきゃいけない、どうしよう! っていう、昔味わったようなプレッシャーは今回自分にはなかった。忙しいし、曲が出てこない時もあったけど、すごく充実してるな、今! という思いが強かったですね。曲が出てこない間も、他のメンバーの曲を聴いたり、その曲のピアノのラインを考えてる時に、いいメロディーを作るな、この人は! と思ってやってるとすごく楽しくなってきて。そうこうしてるうちに、自分の曲もどんどん進んでいった感じでした。音楽漬けの毎日だったけど、すごく充実してましたね」

新里「『LOVER』を中心にしたツアーのトークで、“次は思いっきりハジけるアルバムをリリースするからね!”と伝えていたので。そうしたらメンバーのみんなからめちゃ勢いのある曲が上がってきてね、『my friend』とか。それで自分も思いっきりみんなが楽しめるような曲をコンセプトに作っていこうと思って、最初にでき上がったのが『スマイル』でした。テーマとしては夏、そして海でひと晩中聴けるようなアルバムにしたい。それにもう1つキーワードとして、自分の中では“笑顔”というのがあったんですよ。『LOVER』ではちょっと悲しいストーリーの曲も多かった感じがしたので、今回はその悲しみを乗り越えた上の楽しさ、笑顔がアルバムを聴いた瞬間に感じられるようなものにしたいなとは思ってました」

──『夏だ!!! パーティー』は、笑顔が浮かんでくる楽しいパーティーチューンですよね。仲宗根さんの中では珍しいタイプの曲じゃないですか?

仲宗根「珍しいです。それくらい夏の曲! というプレッシャーがすごかったという(笑)。おかげで新たな挑戦というか、自分も1人でこういう曲が書けるんだというのも知れたので。あまり得意じゃない感じの曲なのに、実際作り始めたら20分くらいでできたんですよ」

名嘉「沖縄に住んでるのに、ここでは“沖縄に行こうよ”って歌ってますからね。イズ(仲宗根)は飛行機の機内で流してほしいんだなって思いながら、自分は聴いてました(笑)」

※続きは月刊Songs8月号をご覧ください。

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