http://exile-shokichi.jp/
スリリングな疾走感に満ちたサウンドメイク、起伏の激しいメロディーライン、強烈なダイナミズムを備えたボーカル。映画『トランスポーター イグニション』日本版主題歌として制作されたEXILE SHOKICHIのニュー・シングル『IGNITION』は、“息が止まるくらい高揚してく”というフレーズ通りのアッパーチューンに仕上がった。HIP HOP、R&Bの最新モードをポップに昇華するセンスもさらに上がっているようだ。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:森 朋之

──ニュー・シングル『IGNITION』、最高にカッコいいです! SHOKICHIさん自身の音楽的なセンスと、ポップチューンとしての魅力がバランスよく共存していますよね。



「ソロ活動というと“自分が好きなことだけをやっている”と見られる危険性が常に隣り合わせだと思うんです。そういうふうに見えないようにいつも考えていて、今回のシングルは映画(『トランスポーター イグニション』日本版主題歌)のお話をいただいたことがキッカケだったんですけど、自分としても嬉しい限りというか、すごくやりがいがありましたね。曲の内容に関しても、疾走感やBPMなど、結構リクエストがあったんです。それもやりやすかったんですよね、逆に。いただいたリクエストに添いつつ、自分の音楽性だったり、今やりたいことを合わせていって。事前に映画を見させてもらって、その熱を持ったままスタジオに入って制作できたのも良かったですね」

──映画『トランスポーター イグニション』の印象は?

「このシリーズならではの車のアクションに殺陣の要素が加わって、めちゃくちゃ見応えがありましたね。ずっとハラハラドキドキしていたし、“どういう曲が合うだろう?”ってずっと想像していました。映画のセリフの中から“このワードは使いたいな”とか。楽曲のイメージはハッキリしていたので、制作は“ゴールに向かってまっしぐら”という感じだったんですよ。“さぁどうぞ。自由に作ってください”と言われたら、ゴールがたくさんあるし、迷ったりしがちなんですけど、今回は寄り道することなく、すごくスムーズでしたね」

──制作はトラックメイクからですか?

「そうですね。まずNAOtheLAIZAさん(楽曲提供、プロデュースなども行なうヒップホップアーティスト)にビートを作ってもらって。さっき言ったようにBPMは大体決まっていたんですけど、自分としてはブレイクビーツ(楽曲の中で使用されるドラムパート、リズムセクションの一部をサンプリングする手法)を使いたかったんですよね。そこにNAOくんのアイデアを加えてもらったんですけど、聴いた瞬間に“バッチリ!”という感じで。そこで90%完成したと言っていいと思います」

──ブレイクビーツって、作り手のセンスが問われますよね。

「本当にそうですね。音色も大事なんですけど、NAOくんは1つ1つの音にすごくこだわるんです。よく聴いてもらえれば、色んな音が混じっているのも分かると思うし、本当にカッコいいサウンドに仕上がっています」

──ブレイクビーツは1980年代から始まったスタイルですが、今聴くと逆に新鮮ですよね。またこういうビートが流行りそうな気配もあるし…。

「しばらく僕らの中でも4つ打ちの文化が続いていたし、そういう(ブレイクビーツの)流れが来るかもしれないので。今回はその“流れ”を待たなかったんですよ。今までのシングルはある程度、流行を意識していたところもあったんですけど、今回はそうじゃなくて、自分から新しい流れを作っていくというアプローチなので。特に参考にする曲とかもなかったし、純粋に自分達の中で“これがいい”と思うものを作れたというか。そういう意味で達成感はすごくありますね。とにかく楽しかったし、こういう制作を続けていけたらいいなって」

──しかも、きっちり映画の世界観とも寄り添っていて。この映画を盛り上げたい! という気持ちも当然ありますよね?

「もちろんそうですね。せっかくこういうチャンスをいただけたので、純粋に映画を盛り上げたいという気持ちはすごくあります」

──タイトルもずばり『IGNITION』ですからね。これは“点火、発火”という意味のワードですが、SHOKICHIさんにとって“これをやれば、必ず自分の中で火が点く”みたいなものって?



「う〜ん、なんですかね。もともと感情の起伏は激しいほうなんですけど……やっぱり音を聴いている時かな。面白くない回答かもしれないけど(笑)。あとはおいしいものを食べて“ヤバい!”っていう時とか」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。

X Close

Topページを開く