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約半年間に渡る初の全国ホールツアー“ONE FOR HALL TOUR 2015”で、合計9万人以上を動員してきたファンキー加藤。前作から約1年2か月振りにリリースされる4thシングル『MUSIC MAGIC』は、その大規模なツアーに向かう中で感じていた気持ちが吐き出されたものだと言う。タイトル曲に込められた初心と決意、また、「みんなの人生のBGMになれば」と語るカップリングの2曲についてじっくり話を聞いた。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──新曲『MUSIC MAGIC』は約1年2か月振りのシングルになりますが、その間は、過去最長となるツアーが行なわれていたんですよね。



「はい。僕、何でもそうなんですけど、最初はネガティブな視点から見てしまうという悪いクセがあるんですね。そのツアーに関しても不安だらけでした。体力面、声の問題、集客もそう。でも各地を回っていく中でその気持ちがどんどん反転していくというか、プラスに転じていって、後半は終わるのが本当に寂しかったんです。もう1周したいなって思うくらい非常に充実してたし、たくさんの人と向き合うことのできたツアーでした」

──アルバム『ONE』を引っ提げてのツアーだったわけですが、あのアルバムが作れたことはとても大きかっただろうなと感じました。

「大きいですね。ソロの1stアルバム──1つの悔いもない、現時点での100%が出せた作品と共に全国が回れたのは、すごく嬉しい旅でもあったんです。この曲はみんなこうやって受け止めてくれてたんだとか、そういう新しい発見もあったし。何より、嬉しい再会もあったんですよね」

──嬉しい再会?

「FUNKY MONKEY BABYS(以下、ファンモン)は応援してたけど、ファンキー加藤にはイマイチ乗り切れてなかったファンの方達というのも全国には結構いらっしゃって。武道館までは腰が重くて行かなかったけど、うちの街に来てくれるんだったらちょっと見に行こうかなっていう人達。ファンモン好きが故に、わだかまりとかしこりを抱えた人達が久し振りに来てくれて、ライブを見てくれて、やっぱりファンキー加藤を応援しようって思ったって声が、結構多かったんです。もちろん、新規の方もたくさんいらっしゃってくれました。そういう再会、出会いが多かったんです」

──そうだったんですか。

「ブログとか、曲の中でとか、ツイッターなんかで思いを発信して、それが目や耳には飛び込んでいってても、心にまで飛び込めないものもあるんだなぁって思いましたね。ライブの強さだったり、重要性ってものをすごく感じました」

──そういうものとも向き合いながらの、ソロ活動でもあるんですね。

「そこは避けて通れないでしょうね。べつに元ファンモンというのを隠そうとも思わないし、時間が経つにつれてどんどんわだかまりもなくなってる。そもそも僕が(ファンモンの)曲を歌ってるのは、ファンモンが好きだからですしね」

──納得です。そういった部分も含め、新曲『MUSIC MAGIC』には“音楽”に対する加藤さんの根本的な思いが描かれていますね。

「この曲はそのツアーが始まる前に作ってたんですが、ファンの皆さんは本当にファンキー加藤を受け入れてくれますか? 信じてくれますか? っていう不安とか疑問のようなモヤモヤを、一旦吐き出したいなと思ったんです」

──発端はネガティブな発想でも、音楽を信じていくんだという思いが支えになっていったんでしょうね。

「そうですね。僕自身、今までずっと音楽の魔法に魅せられてきた人。それこそ、幼少期のザ・ブルーハーツからずっとずっと変わらず自分の心の中に温かいものとしてあるのが“音楽”なんです。世の中に対して音楽がもたらす影響力とか存在感って、時と共に少しずつ移り変わっていくものもある中で、今一度音楽の力というか……、いや、そもそも俺が疑っちゃしょうがないだろっていうさ(笑)。ファンキー加藤っていう、前向きな応援歌を歌ってる俺が音楽の力を信じられなくてどうする! みたいな、自分を鼓舞するというか、もう決意表明みたいなものなんですよ」

──その曲の中には、『No Woman, No Cry』(ボブ・マーリー)や『Let It Be』(ビートルズ)などの曲名、サンタナやスライ&ザ・ファミリー・ストーンといったアーティスト名など、具体的なワードが出てくるのもこの曲の特徴ですね。



「数々の名曲があり、歴史的なイベントがあり、それらを本当に素晴らしいなと思う反面、2〜3%くらいは悔しいなって感情もあったりするんです。ここまで歌い継がれ、名を残してることに対する嫉妬心。…まぁ、本当〜に畏れ多いことなんですけどね(笑)!? でも、そういう気持ちはすごく大切にしていたいなと思っているんです」

※続きは月刊Songs11月号をご覧ください。

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