http://www.fujimakiryota.jp/
2012年2月にレミオロメンの活動を休止し、ソロ活動を始めてから約3年。藤巻亮太はついにソロとしてのあるべき姿を見つけた。いや、あるべき姿などないということに気づいたと言ったほうが近いか。友との別れと新たな旅立ちを歌ったミニ・アルバム『旅立ちの日』(2015年5月)から7か月振りとなる4枚目のシングル『大切な人/8分前の僕ら』には、これまでよりも自由に、柔軟に、ナチュラルに音楽に向き合っている彼の姿が垣間見える。自らが作り上げてきた縛りや制限を解き放ち、新たな道を歩み始めた彼の現在の心境を聞いた。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:永堀アツオ

──ソロ活動をスタートさせてから3年目となる2015年はどんな1年になりましたか?



「今年は色んな意味で心の整理がついた1年になったと思いますね。僕の中ではずっと、レミオロメンとは違うソロをどうするべきか、自分で内側に壁を作っていた部分があって。その壁のせいで自分自身が苦しかったし、音楽を生み出す上でも、不自然な状態だったと思うんですけど、そういう自分の内側の壁を取っ払って、今、自分が感じていることを素直に音楽にしていこうって思えて」

──壁を取り払えたのは、何かキッカケがあります?

「具体的には何個かあると思いますね。昨年(2014年)12月にリリースした3枚目のシングル『ing』や、今年の5月にリリースしたミニ・アルバム『旅立ちの日』などの曲を作るたびに気持ちが解き放たれていったっていうのもあるし、最終的にはやっぱりこの夏や秋のライブが大きかったかな」

──ソロライブでレミオロメンの曲を演奏してましたね。

「そう、もともと自分が作ってきた曲なんだし、そこにヘンな線を引いて、窮屈にしてはいけないなって思ったんですよね。作家としても不自然なことはやめて、自分が作ってきた曲なんだから大事に歌えばいいやって。そういうことも含めて今の自分がいるんだから、そこは素直に歌っていこうって思えたことがとても大きくて。途端に心が軽くなったんですよね。これは、去年や一昨年までとは全然違うなって。この軽やかさがすごく大事で。今まで窮屈で狭くなっていた心にスペースが生まれて、風通しも良くなったことで、新しいチャレンジをしようとか、ソロとして頑張っていこうっていう決意を新たにすることもできた。次に進む気持ちに繋がっていったので、精神的な意味で非常に大きかったですね」

──ソロとしての新たな決意=バンドへの未練を断ち切ったっていうことではない?



「レミオに関しては、未練という言葉は似合わない感情なんですよね。僕と(前田)啓介と(神宮司)治が3人で楽しくやっていれば、それがバンドなんだし、無理やりみんなの気持ちを力技で合わせてたとしても、きっといい音に繋がらない。また楽しめる時が来たらやればいいって思ってるだけで、今は、ソロ活動の中で僕ができることがあるだろう、それを一生懸命にやっていこうっていう気持ちだけですね。自分の人生で今できること、それを全うしようって思えた。人を変えることにエネルギーを使うのではなく、自分が変わることにエネルギーを使うほうが建設的だし、そういうふうに生きていきたいなって思ったんです」

※続きは月刊Songs2016年1月号をご覧ください。

X Close

Topページを開く