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ヒップホップを日本のメジャーシーンに浸透させた立役者であり、最近では桜井和寿(Mr.Children)とのユニット“ウカスカジー”としても活動しているGAKU-MCがニュー・アルバム『ついてない1日の終わりに』をリリース。キツいこともツラいことも悲しいこともある毎日をそれでも前向きに進んでいくためのヒントを、このアルバムからしっかりと受け取ってほしいと思う。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:森 朋之

──アルバム『ついてない1日の終わりに』がリリースされます。オリジナル・アルバムは『ALL YOU NEED IS RAP』(2013年5月)以来、約3年振りになりますね。



「そうですね。2011年に自分でレーベルを立ち上げてからは、ライブと制作をずっと続けていて、ちょっとスケジュールが空いたら旅に出ていたんですよ。朝はサッカーをやってたし、本当にアッという間だったんですよね。振り返ってみると“ボケっとしていた日はなかったな”って」

──最高の人生ですね!

「好きなことをずっとやれてますからね。ウカスカジーでは尊敬する桜井くん(桜井和寿)と一緒に音楽をやれているし、海外に行って1人でライブをやる機会もあって。ただね、“こういうふうにギターが弾けたら、言葉が通じなくてももっといいライブができるはずだし、ここにいる人達も盛り上がってくれるのに。ちくしょう!”みたいなこともたくさんあるんですよ。そう考えると、やっぱりのんびりしていられないなって。今回のアルバムでも“もっともっと”みたいな気持ちだったし、完成までにだいぶ時間がかかってますね」

──『ついてない1日の終わりに』というタイトルも、GAKU-MCさんの人生に対するスタンスが表れていると思います。

「生きてれば、色々あるじゃないですか。仕事の人間関係のトラブルとか、夫婦関係、友達とのいざこざとか。イヤなことは起こらないほうがいいけど、でも、それを乗り越えた時って、もっとハッピーになれる瞬間でもあるんじゃないかなって。物事をそういうふうに考えられたら──“この試練を超えたら、自分はもっと大きくなれる”っていう ──素晴らしいと思うんですよね。そういうスイッチを入れる1枚になれたら嬉しいし、その心づもりが顕著に出てるのが(アルバムのタイトル曲)『ついてない1日の終わりに』という曲だと思います」

──“ラップで世界を良い方向に”というメッセージが伝わる『ラップラス』もこのアルバムを象徴する楽曲のひとつですね。

「昔は“モテたい”とか“カッコいいことをやりたい”と思って音楽をやってたところもあったけど、改めて“何のために音楽をやってるんだろう?”と考えてみると、それは人と繋がるためなんですよね。そのためには人の役に立てないといけないし、税金もちゃんと払わないと……この曲を書いてたのは、ちょうど確定申告の時期だったので(笑)」

──(笑)。人のためになる音楽は、しっかりした生き方から生まれるのかも。



「そうですよね。僕らミュージシャンは、リスペクトが得られないとファンとの関係もないですから。その上で人の役に立つことができて、誰かのハッピーに繋がっていけば最高だなって」

※続きは月刊Songs2016年7月号をご覧ください。

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