片寄涼太×数原龍友
6月29日にリリースされるGENERATIONS from EXILE TRIBE(以下、GENERATIONS)の新曲『涙』は、シングルとしては初のバラード。出会いと別れを“涙”で繋ぐ、実に切ない楽曲になった。それだけに、歌いっぷりもとてもエモーショナル。新たな一面を見せてくれるこの楽曲について、ボーカルの片寄涼太と数原龍友に聞いた。
Photo:藤城貴則 Text:髙橋栄理子

──新曲『涙』はシングルとしては初のバラード。アルバム『SPEEDSTER』(2016年3月)で『Rainy Room』というバラードは発表済みですが、シングルとしてリリースすることに対しては、また違う気持ちがあるのではないですか?



片寄涼太(以下、片寄)「実は今回リリースするシングルに関しては、別の方向性のアイデアもあったんです。でもツアー中ということもあって、“あえてここでバラードをシングルにするのもありじゃないか”というアイデアをいただいて。それで今回の作品を作ることになったんです。自分達にとっても、また新しい引き出しになっていると思いますし、シングルとして出すだけに『Rainy Room』の時よりディテールにこだわって歌えた部分もあるのかなと思います」



数原龍友(以下、数原)「歌い手としてバラード曲は勝負なところもあるので、それをこのタイミングでリリースできるのは、とても嬉しいです。それだけに『涙』という楽曲やミュージックビデオ(以下、MV)に対して、皆さんがどういった反応をしてくださるかにワクワクしています」

──やっぱり、いつかはシングルでバラード曲をという想いはありましたか?

数原「そうですね。デビュー当時から、ずっとバラード曲をやりたいとは思っていました。でも、やっぱりタイミングというのも、すごく大事だと思うんです。GENERATIONSとしては、今がバラードを出すタイミングだった。ここまで引っ張ってきたからこそ、この『涙』という楽曲が、よりエネルギーを持ってくれるんじゃないかと思います」

──先ほど片寄さんが“ディテールにこだわった”とおっしゃっていましたが、具体的には、それはどういう部分ですか?

片寄「『Rainy Room』は、ちょっと重たくてコアな世界観だったと思うんです。でも今回はシングルということもありますし、悲しい恋愛ソングですけど、テーマは“涙”というポップなものなので、よりキャッチーにしつつ、かつ感情を感じてもらえるようにしようと思って歌いました」

──確かに『Rainy Room』は、ドシッと重くて男っぽいテイストの楽曲でしたもんね。

片寄「そうなんです。ちょっと情けない男の姿が描かれていたんですよ。それに対して『涙』は、女性の涙を見て自分に呆れる。そういう情景を思い描きながら歌いました」

数原「『涙』は、普段GENERATIONSがやるサウンドとは対照的なものだったので、僕は涼太とのバランスを取ることも心掛けました。やっぱりバラードでは、バランスがかなり重要視されると思うので。だから、自分が歌ってみたあと涼太の歌を聴いて、もうちょっと違うアプローチのほうがいいのかなって考えたりもしたんです」

──歌のトーンを揃えるというか。



数原「そうですね。ちゃんと歌が繋がるようにテンション感を合わせた部分はありました。それはお互いにやっていたと思います」

──Aメロから徐々に感情が高まっていく感じもしたんですが、そういう感情の流れも意識しながら歌いましたか?

数原「はい。感情の持っていき方は、しっかり自分の中でストーリー性を持たせて歌いました。後半になって演奏も盛り上がってくるので、それに合わせてトーンを変えたりしながら歌っていった感じです」

片寄「本当に絵が浮かぶ楽曲なので、歌っていて、なるほどなって思うんですよ。恋人同士の始まりと終わりを“涙”というキーワードだけで、ここまで上手く繋げてくる。そういう歌詞がすごいなと思いましたし、最後の涙は“今日 零(こぼ)れた”となっているので、うわっ、今日の出来事だったんだ! と思って、ちょっと短編小説を読んでいるような気持ちになりました。だから、自分の頭の中に絵を浮かべつつ、聴いてくれている人にも感情移入してもらえるようにと思って歌ったんです」

※続きは月刊Songs2016年7月号をご覧ください。

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