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過去には『ミュージカルテニスの王子様』やNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』などの話題作にも出演してきた阪本奨悟。音楽への強い想いから東京を離れ、地元兵庫で単身音楽活動を始めた彼がシンガーソングライターとして復帰。今月、待望のミニ・アルバム『Fly』をリリースする。後悔も希望も抱えて歩いてきたという、これまでの道のりを聞いた。
Photo:秋倉康介 Text:山田邦子

──ギターはいつから始めたんですか?



「僕が小さい頃から、父親が趣味でジャズギターを弾いていたんですね。それがキッカケで、僕も触ってみたいなと思ったんです。小学6年生ぐらいでしたね。コードとかも父親に教わりました」

──そこが音楽の原点ですか?

「そうですね。生まれた時からギターの音を聴いて育ったので、今僕がギターを弾いてるのも自然な形だったと思います」

──ところが、そのまま音楽一筋でここまで来られてるわけではないんですよね。

「この世界に入ったキッカケは実は母親でした。僕自身は当時全然興味はなかったんですが、ある日読んでいた雑誌に母親が大好きな福山雅治さんの写真が載っていて、そこでアミューズって事務所を知り、家族が大好きなサザンオールスターズさんやポルノグラフィティさんが所属していて、気が付いたら母に勝手に履歴書を送られてたんです」

──難しいことは分からなくても、とりあえずやってみようみたいな感覚だったんですか?

「当時、小学5年生でしたからね。でも分からないなりにやっていく中で、だんだん“楽しいな”と思えるようにはなりました。役者としてたくさんの濃い経験をさせていただいたので、お芝居をすることによって“表現する”という感覚を小さい頃から身につけることができました。それが自分の成長に繋がっていったと今でも思います」

──事務所を辞めようと思ったのは、音楽を極めたかったからなんですか?

「親に勧められてこの道に入り、スタッフの皆さんのおかげで順調にどんどんステップアップさせてもらっていた自分を否定したい感覚になったんです。自分の人生が自分の思うところに向かっているのか、自分で何かを始めて、自分でゼロから築いていきたいって思って。自分にとってそれが“音楽”でした。その決断で色んな人に迷惑をかけることになったんですが、自分にとっては、歌をやることが一番自分でいられる瞬間だったんです」

──大きな決断でしたね。

「でも、子どもだったなと思います。路上ライブなんかもやり始めるんですが、人が全然止まってくれないんですよ。それまで『ミュージカル テニスの王子様』で1万5千人ものお客さんの前で歌わせてもらってたけど、“そういうことなんだ”って痛感しました。ゼロからの出発は自分で望んでいたものだけど、リアルに想像できてなかったんですよね。正直後悔もしました。だけど自分が選んだ道だから、自分を信じて進むしかなかった。ゆっくり一歩ずつでもいいから続けていこう、必ず以前の自分を超える日は来る、そう信じて歌っていました」

──ずっと1人で歌ってきたんですか?



「最初は、地元の友達や、張り紙でメンバー募集などをしてバンドを組みました。でもなかなか上手くいかなくて、これはもう1人でやっていこうと」

──1人でやるって、普通に考えたら震えるくらい怖いですよね。

※続きは月刊Songs2016年7月号をご覧ください。

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