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最近では主演映画『たたら侍』がモントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞を受賞するなど、俳優としても大活躍中の青柳翔。劇団EXILEのメンバーとして芝居の道を突き進んできた彼が、1stシングル『泣いたロザリオ』をリリースすることとなった。もともと歌手を目指していたという彼は今、どんな気持ちで音楽に向き合っているのだろうか。
Photo:松井伴実 Text:山田邦子

──1stソロ・シングル『泣いたロザリオ』の制作過程はいかがでしたか?



「たくさんの方に協力していただき、試行錯誤しながら作っていました。この楽曲をより良くするために色んなバージョンを試したので、TD(=トラックダウン)が終わった時は本当に嬉しかったです。思い入れも強い曲になりましたので、早く皆さんに聴いていただきたいという気持ちでいっぱいです」

──この曲を1stシングルの表題曲にされたのは?

「候補の曲はたくさんあったんです。確か20曲ぐらいデモを作って、その中から“こういう曲が合うかもね”って話をしながら絞り込んで。たくさんの方が色んな曲を書いてくださったわけですから、皆さんへ感謝をしつつ、この曲に懸けよう! という強い気持ちで決めさせていただきました。そこから、小竹(正人)さんが作詞をしてくださることになったんです。小竹さんは普段からお食事などご一緒させてもらう機会も多かったですし、作詞家としてもすごく尊敬している方。曲と歌詞の世界観を大切にしながら歌わせていただきました」

──青柳さんからも、“こういう作品にしたい”“こういうものが歌いたい”というようなことは、お伝えになったんですか?

「最初の段階では特にお伝えしなかったのですが、この曲と小竹さんの繊細な歌詞の感じがマッチして、男の人も泣けるような曲になっていけばいいなという思いはありました」

──とても愛し合っていたのに、自分の生き方を貫いて去っていく男性の姿が描かれています。個人的には、ちょっと身勝手じゃないかなと思うところもあったのですが(笑)。

「(笑)。小竹さんが自分に向けて書いてくれたわけじゃないですか。そういうイメージもあるのかなぁって思っちゃいますよね(笑)。僕自身はすごく切ない歌詞だなぁって思いました。レコーディングの時も、この切なさを“歌う”というよりは“しゃべる”ように歌うといいかもしれないねってアドバイスもあったので、なるべくそういう歌い方になるように心掛けました」

──特に気に入っているフレーズはありますか?

「“錆びついてる理想(ゆめ)ばっか見て 生きてきたんだ それが僕なんだ”ってところがありますけど、“錆びついてる理想(ゆめ)”って表現は、いいなぁと思いました。歌詞をじっくり読んでいくと、“あぁ、ひょっとしたらこういう自分勝手なところが自分にもあったかもしれないな”って記憶と結びつくような瞬間もありましたね」

──『泣いたロザリオ』というこのタイトルも、すごく印象に残りますよね。

「そうですね。気になる言葉のチョイスですよね。こうやってパッと見たり聞いたりした時に、ひっかかる言葉を持ってくることも大切なんだなっていうのはすごく感じました」

──この楽曲の世界観を表現するにあたって、役者として積み重ねてこられた経験などが生かされる部分もありました?



「そこはまだ模索中なんです。僕はもともと歌手を目指していた時期があったんですけど、そのあとは、俳優だけを頑張るんだと思って生きてきたんですね。だけどその中で、HIROさんや周りの方のおかげで昔の夢が戻ってきた。これはすごいチャンスだと思っているし、役者としての経験も生かしながらこういうバラードが歌えたら、それこそが自分らしさになっていくのかなとも思うので、もっともっと生かしていきたいとは思っています」

──今お話にも出ましたが、もともとは歌手を目指してらっしゃったんですよね。

「はい。音楽はもともと好きで、小学生の頃は安室(奈美恵)さんとかSPEEDさんとかが流行っていたので、そういうJ-POPを普通に聴いていた気がします。ヒップホップが好きな時期もあったりして、友達とターンテーブルを買ったりもしました。一番仲が良かった友達が“俺、2PACみたいになりたい!”って言い出して。俺は特に誰が好きというわけではなかったけど、ラップをやってクラブとかで歌えたらいいよねみたいな話はしていました」

※続きは月刊Songs2016年11月号をご覧ください。

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