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遊助の通算21作目のシングル『凛』は、沖縄の空気を感じさせるサウンドの中で“1人で頑張らなくてもいいよ/横に僕がいるから”というフレーズが広がるミディアムチューン。この曲を聴いている間は、素直に泣いてほしい──そんな思いが込められたこの曲には、彼自身の真っ直ぐで温かい人柄がしっかりと反映されているようだ。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:森 朋之

──まずは、今年の夏に行なわれた全国ツアーのことから聞かせてください。最新アルバム『あの・・こっからが楽しんですケド。』を引っ提げたツアーだったわけですが、手応えはどうでした?



「こちらとしても色々なことに挑戦させてもらったツアーでしたね。自分の中では結婚もしたし、周りからの見られ方も変わってくるんだろうなって思ってたんですよ。会場に来てくれたファンの皆さん、スタッフを含めて“遊助の第2章はどうなるんだろう?”という感じもあっただろうし──もしかしたら俺の勘違いかもしれないけど──“試されてるな”という気持ちもあったんですよね、実は。いい意味で変わらず、でも、しっかり進化しているところを見せたかったし、“遊助のライブはやっぱり楽しい”“こいつ、やっぱりすごいんだな”っていうところを伝えたかったというか。その答え合わせって、ライブの本番中にしかできないじゃないですか」

──そうですね。ライブ会場の雰囲気だったり、観客の様子で判断するしかないというか。

「うん。もちろんずっと応援してくれている方もいるんだけど、“どんなもんかな?”みたいな感じで来ている方もいて。これは俺の自己満足かもしれないけど、どの会場もすごく盛り上がっていたし、みんなの表情もすごく良かったんですよ。すごい笑顔の人とか、涙してくれている人とか…。そういう表情を見るたびに“良かった、喜んでくれてる”ってホッとした部分もあったし、“よし!”って心の中でガッツポーズしているようなところもあって。すごくいいツアーになったし、ちゃんと第2章の始まりを見せられることができたんじゃないかなって思いますね」

──そして早くもニュー・シングル『凛』がリリースされます。遊助さん、すごい多作ですよね。リリースのペースもずっと変わらないし。ふだんから作り続けているんですか?

「そうですね。ちょっと時間があると“そろそろ、次の曲作りをやっておいたほうがいいんじゃない?”ってスタッフに言うんですよ。最後にバタバタするのはみんなのほうだよ! って」

──素晴らしい(笑)。たぶんスタッフの方から“そろそろ曲を作りましょう”と言われているアーティストのほうが多いと思います。

「他の仕事もありますからね。定期的にスタジオに入ったり、プリプロをやっておいたほうがいいなって。ずっと一緒にやってくれているクリエイターの方が7人くらいいて、“こういう感じで作ってみて”ということも結構あるんですよ。もちろん、素敵な出会いがあれば新たな方ともやってみたいし」

──ツアー中も?

「うん、ツアー中に作ることも多いです。プリプロやって、レコーディングやって、ライブの本番があって。声、出しっぱなしですよ(笑)。ツアーをやってると曲のアイデアも浮かぶんですよね。ライブの中で“この曲、こういうふうに浸透しているんだな”とか、“思った以上に盛り上がる”という発見もあるし。僕らみたいな仕事って、ずっとスタジオと家の往復だったりするんですよ。でも、ライブ中は色んな土地の景色や空気を感じられるし、会場に来てくれるお客さんの心の動きも目の前で感じられて。そういう経験は大事ですよね」



──『凛』は温かいメッセージが伝わるミディアムバラード。“やめて 涙こらえ笑うのは”という歌い出しがすごく印象的でした。“やめて”で始まるって、すごいインパクトですよね。

「ありがとうございます。その曲はまさに“最初の3文字、何にしよう?”というところから作っていたんですよ。何かパンチのある言葉がいいなって考えているうちに“やめて”が浮かんで、“何をやめてほしいんだろう?”と物語を作っていって」


※続きは月刊Songs2016年12月号をご覧ください。

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