大原櫻子 *撮り下ろし5ページ |
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──今年第1弾のシングル『ひらり』が完成しましたね。
「はい。櫻子っていう名前の私が、こういう桜の歌を歌えたことはすごく嬉しかったです。学生の頃も、だいたいみんなが口ずさむ卒業ソングって桜の曲だったりするじゃないですか。桜の歌=日本の歌みたいなイメージもあるので、まさか自分がそういう曲を歌えるなんてと思うと同時に、亀田(誠治)さんからこの曲をいただいた時は、自分にとってすごく大きな曲になっていくんだろうなって感じましたね」
──ちなみに“櫻子”という名前には、どんな由来があるんですか?
「最終的に姉が決めたみたいなんですよね。姉はピンクが好きだったみたいで、父親が“桃子か櫻子どっちがいい?”って聞いたら“櫻子がいい”と。小さい頃は“桜の子どもだー!”って男子に茶化されたりしていましたけどね(笑)。春に生まれたわけではないけど、桜は大好き。桜を見ると、何だかいつも縁を感じています」
──では改めて、『ひらり』を聴いた時の印象などを聞かせてもらえますか?
「すごく切ない気分になりました。自分のリアルな高校時代とリンクする部分がたくさんあったんですよ。普段は学校ではケータイ禁止だけど、卒業式の日だけはみんなで写真を撮りまくったりして、Aメロの部分からグッときましたね。あと、学校に大きな桜の木もあって、私もずーっとその木に見守ってもらっていたんですよ。友達とか仲間とのこととかもそう。すごく共感できたんです」
──思い出深い先生もいたりして?
「います、います。結構シャイなんだけど話すとすごく面白い先生。実はこの曲をレコーディングする前日に、母校を訪ねたんです。全くのプライベートで(笑)。その先生に連絡して、“学校で過ごした時とすごくリンクする曲のレコーディングがあるから、行っていいですか?”ってお願いして。先生と一緒に校内を巡りながら、思い出を体に染み込ませてきました」
──素敵なエピソードですね!
「歌詞の中での実感とか確信が欲しかったんですよ。きっと私だけじゃなく色んな方が共感できる歌詞だと思うけど、私は猛烈な実感を持ってこの大事な曲を歌いたかったんです。部活とかも見に行ったんですよ。水泳部だったんですけど、当時って何であんなに頑張っていたんだろうとか色々思い返しましたね。あぁ、ただ好きだからやっていたんだなぁとか。でも、それってすごく大事じゃないですか」
──そうですね。この曲が主題歌になっている映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』でも、まさにそういう情熱が描かれています。
「そう。だからこそ、その気持ちを歌の中に取り入れようって思ったんです。仲間がいて、友達がいて、達成感があって。それだけで充分だったんですよね」
──大人になった今の感覚とは違います?
「知らない間にずれていたなぁって、ちょっと思いました。厳しさが違ってくるというか、何だろうな。部活の時はサボっていたら怒られるっていう分かりやすい厳しさがあったけど、今はある意味、自分でやらなきゃいけないわけで、怒られないけど結果も出ないっていうちょっと残酷な厳しさがある(笑)。もちろん歌は好きだけど、“好きって気持ちだけでやれる”っていうその感覚は、一生忘れちゃダメなんだなって改めて思ったんです。この曲をいただけたことで、原点に戻れましたね」