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2009年に発表され、カルト的な人気を誇る河野 裕の『サクラダリセット』シリーズがついに実写映画化。“リセット”の一言で世界を最大で3日分巻き戻すことができるなど、様々な能力を持つ者達が暮らす街“咲良田”を舞台に、誰も予想のできない驚きの物語が展開される。“記憶保持能力”を持つ高校生・浅井ケイを繊細に演じた野村周平と、今作の主題歌『ラストコール』を書き下ろしたflumpool・山村隆太の豪華対談インタビューをお届けします。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:奥村百恵

──お2人は今まで交流はあったのでしょうか?



山村隆太(以下、山村)「8年前にflumpoolの『見つめていたい』という曲のミュージックビデオに野村くんが出てくれているんですよ」



野村周平(以下、野村)「僕のミュージックビデオ・デビュー作です。でも、その時の撮影のことを全く覚えてないんです(笑)」

山村「あはははは!」

野村「緊張しすぎていたので覚えてなくて(笑)。でも、今思えばその頃からflumpoolさんとはご縁があったのかもしれません。主演映画の主題歌を歌ってくださるなんて、こんな運命的なことはなかなかないですから。山村さんは今作の撮影現場に一度見学に来てくださったんです。ちょうど僕が長ゼリフのある一番緊張するシーンだった日で…(笑)」

山村「緊張してるようには見えなかったけどね」



野村「ワンカット長回しだったので、かなり気合いの入ったシーンでした。あれでも緊張していたんですよ(笑)」

山村「確かに大事なシーンだったよね」

──現場での野村さんはいかがでしたか?

山村「プレッシャーで気負うこともなく、堂々と落ち着いていて、時にムードメーカーのように明るく振る舞ったり中心的存在でした。僕より9歳ほど年下ですけど、全くそんなふうに見えないぐらいしっかりされていたと思います」

──『ラストコール』は脚本を読んでから制作されていったのでしょうか?

山村「そうですね。原作と脚本、そして台本を読ませていただいてから作っていきました。『ラストコール』はケイの持つ“記憶保持能力=過去を忘れない”ことを描いているのですが、ケイの目線で歌詞を書いていきました。色んなことを諦めず、ものすごい決断力で運命を動かしていきながら生きるケイの強さがうらやましく思えるというか。そんなふうに僕も生きてみたいという願いを込めて書いていきました」

野村「僕は歌詞をじっくりと理解しながら主題歌を聴いたんですけど、山村さんの思いが伝わってきてすごく嬉しかったです。“ケイ=僕のため”に作ってくれたんだと思えたというか…」

山村「野村くんが演じている姿を思い浮かべながら書いたから、そう言ってもらえるとすごく嬉しい。過去のことを忘れないとか記憶を失わないことは良い面もありますけど、その分ツラい過去をずっと引きずってしまいますよね。それを含めて全てプラスに変えていくケイの力強さというのは、僕が音楽で夢を見た瞬間を思い出させてくれるんです。当時のあの気持ちを今も忘れてなかったらとか、正直そういう気持ちにもなったりして。完成した今作を観たら、まさに僕が主題歌に込めた思いをケイが背負って立っているようなキャラクターだったので嬉しかったです」

野村「映画用に書き下ろしていただいた曲は、作品に寄り添ってくれるからスッと心に届きますよね」

──山村さんは今作で野村さんの俳優としての魅力をどんなところに感じましたか?

山村「ケイは感情をあまり見せないですし、強さとクールさの両方をお芝居で表現するのは相当難しいんじゃないかなと思っていたんです。ところが完成を観たら、原作を読んで想像していた浅井ケイそのままを野村くんが演じていたので驚きました。僕は月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』に役者として出演させていただいていますが、感情的で強く激しいお芝居は表現しやすくても、冷静なまま強い感情を出すお芝居というのは非常に難しくて。それをしっかり表現できる野村くんはすごいなと思いました」


※続きは月刊Songs2017年4月号をご覧ください。

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