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家入レオのニュー・シングル『ずっと、ふたりで』。表題曲は、今月からスタートする日本テレビ系日曜ドラマ『愛してたって、秘密はある。』の主題歌だ。たくさんの気付きがあったという初の日本武道館ライブを経て出会うことになったこの曲について、完成までの経緯をじっくり語ってくれた。
Photo:小澤正朗 Text:山田邦子

──今回は、シングル『ずっと、ふたりで』と、ライブ映像作品『5th Anniversary Live at 日本武道館』が同時にリリースされるんですね。



「はい。あの武道館のライブで感じたことが全て音楽に乗り移ったというか、シンプルに、あの時の思いがこのシングルに繋がっているんです」

──詳しく聞かせてもらえますか?

「これまでも、ありがたいことにドラマの主題歌をたくさん歌わせていただいてるんですけど、今回もドラマ『愛してたって、秘密はある。』の主題歌のお話をいただいたんですね。プロデューサーや監督の方達にお会いしてディスカッションをして、“こんな感じかな”って1〜2曲自分で作ったんですが、ドラマ側に提出する前に、あの武道館のライブがあって」

──今年の4月30日ですね。

「これはちょっと恥ずかしい話なんですけど、日々過ごす中で色んな人と話したり、色んなことを見たりする中で、消化しきれないものっていうのが自分の中に溜まっていくんだけど、それをライブでゼロに戻すっていうのがデビュー以来ずっとあったんです。自分で自分を解放することによって、来てくれるお客さんも普段なかなか言えないことをぶつけられたり、置いて帰ったりできるんじゃないか。それがみんなのためになると思ってたし、そこに信念を置いてライブをしてたんです」

──はい。

「日本武道館は私がデビュー前からずっと憧れていた場所だし、ツアーじゃない一夜限りのライブだからこそ、これまで頑張って準備してきたことや、真剣に向き合って築き上げたものを今日ここで全部出せなかったら、厳しいけど“良かったね”とは言えない。そういう気持ちがあったので、“来てくれたお客さん、ありがとう!”っていう気持ちだけで初めて歌ったライブだったんです。“レオちゃんのライブに来て良かった”って言ってもらいたい一心でやったから、正直、自分自身には表現の余力がまだ残ってたし、行くとこまで行ききれなくて、苦しい部分もあったんですよ」

──なるほど。

「でも結果的に、あの武道館のライブがすごく良かったと色んな方から言っていただいて」

──間違いないです!

「これはステージで歌っている時に一番強く感じたことなんですけど、“音楽って自我じゃないのかもしれないな”って思ったんです。制作に自分が関わると──自分で書くから当たり前なんですけど、“自分らしさ”という言葉を使って、どうしても“自分の”何かを伝えたいってところに曲が向かってしまう。だったら、自分じゃない誰か他の人に作詞・作曲を預けてみようと思ったんです。それで一度ドラマ用に作ってた曲を提出するのはやめて、一度お仕事してみたいなと思っていた杉山勝彦さん(フォークデュオ“TANEBI”のギタリスト)にオファーしたんです」

──そんないきさつがあったんですか! 繰り返しますけど、あの武道館のライブ、めちゃくちゃ良かったですよ。

「嬉しい! いや、自分でも本当にそう思うんですよ。正直苦しかったんだけど、いいライブだった。でも…うん、音楽ってこういうことなんだぁっていうか(笑)。だからまたひとつ、目標が見つかったんです。私がまだ人間的に未熟だから、そこに100%の幸せを感じられてないけど、みんなが喜んでくれることが私の幸せ、私の使命だって思いたいし、そういう人になれたらいいなって。次に向かうことができたライブにもなったんです」



──なるほど。

「だからと言って、全く自分で作らなくなるということではなくて。色んな軸を持って、いいものを残していくということが一番だし、そこで楽しく音楽をやっていくことが大切。デビューしてからの5年間は、“私”というものを真っ直ぐみんなに届けるために、揺らがないようにっていうのがすごくあったけど、これからは、誰かが思う自分らしさを表現していくのもすごく面白いことだなと思うんですよ。色んな人とコラボして、自分の色んな可能性を見ていきたいなって。余裕が生まれたっていうのは、たぶんあるんだと思うんですけど」


※続きは月刊Songs2017年8月号をご覧ください。

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