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『さよならの向う側』『プレイバックpart2』『いい日旅立ち』。三浦祐太朗が母・山口百恵の名曲をカバーしたアルバム『I'm HOME』をリリース。原曲の良さをしっかりと残しつつ、新たな息吹を吹き込むことに成功した本作からは、家族のつながり、そして、三浦祐太朗というシンガーの豊かな表現力が伝わってくる。
Text:森 朋之

──山口百恵さんの楽曲をカバーした作品『I'm HOME』がリリースされます。この企画が生まれたキッカケは何だったんですか?

「テレビの歌番組で母の曲(『いい日旅立ち』『秋桜』)をカバーしたのがキッカケですね。それを観てくれた方から“音源化はしないんですか?”という声をたくさんいただいて、レコード会社の方から“アルバムを作りましょう”と言ってもらったので」

──以前から百恵さんの楽曲は歌ってました?

「いえ、歌ってないですね。家で母の曲を聴くこともなかったですし、テレビから流れてきたり、カラオケで誰かが歌っているのを聴くくらいで。あとは他のアーティストの方がカバーしているCDを聴くとか。だから、テレビで歌わせてもらう時は“本当に自分が歌っていいのか? 世間の人達はどう思うだろう?”という心配もあったんですよ。でも、すごくいい反応をいただけて」

──今回のアルバムには『さよならの向う側』『プレイバックpart2』『いい日旅立ち』など8曲を収録。楽曲はどうやって選んだんですか?

「僕とアレンジャーの宮永治郎さん、プロデューサーの3人でカラオケに行ったんです。そこで母の楽曲をどんどん歌って、自分が歌いやすいキーを探して。それを録音したものを持ち帰って、客観的に聴きながら“これが合うと思う”という曲を選びました。自分で“この曲を歌いたい”と思ったものが意外とマッチしなかったり、面白かったですね(笑)」

──しかもすごい名曲ばかりですからね。歌うのもかなり大変だったと思うのですが。

「まず“自分の色を出しすぎるのは良くないな”と思ったんですよ。色々な考え方があると思うんですが、僕にとってカバーは“原曲に対するリスペクトがあって、それを演じる”ということなので。今回はそれがさらに明確でしたね。あと、母が持っていた歌の雰囲気を踏襲しようという気持ちもありました。以前、松山千春さんの『旅立ち』をカバーさせてもらった時は、“モノマネになっちゃいけない”ということばかりを考えていたんです。でも今回は、母の歌い回しだったり、歌い出しのブレス(息継ぎ)などをよく聴いて、それを自分でも試してみて」

※続きは月刊Songs2017年8月号をご覧ください。

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