Flower *撮り下ろし4ページ |
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──『たいようの哀悼歌(エレジー)』は、とてもドラマチックな楽曲ですね。鷲尾さんは最初に次のシングルはこの曲でいくと知った時、どんな気持ちになりましたか?
鷲尾伶菜(以下、鷲尾)「実は、もともと候補曲は2曲あったんです。でも、もう1曲と比べて『たいようの哀悼歌』は今までのFlowerの色も残しつつ、ちょっと中東っぽさのような新鮮さもあって。それは今後のFlowerが作り上げていきたい個性のひとつでもあったので、E-girls、E.G.familyが新体制になったタイミングで、Flowerとしてもまた新たな一歩を踏み出すのにはピッタリな曲だなと思っていたんです。それだけに、この曲に決まって嬉しかったです。しかも、サウンドが新しいだけではなく、歌詞も今回は恋愛がテーマではないんです。人生の絶望のようなものを描いています。“絶望”というワード自体はDメロにしか出てこないんですが、全体的にそういうものを表現しているような曲になっていると思います」
──だから、すごく意味が深いですよね。色んな受け取り方ができるというか。聴き手がどんな人生を歩いてきたかによって、感じることが違う気がします。
鷲尾「そうですよね。恋愛じゃない曲は今まではわりとなくて、Flowerといえば、失恋や恋で傷ついた心を歌っているイメージだったと思います。でも、この曲はそういうものとはまた違うので、新たな層の方に聴いていただける気がします」
佐藤晴美(以下、佐藤)「最初に聴いた時、何て絶望的な歌詞なんだろうと思ったんです(笑)。しかも、特にAメロやBメロは伶菜さんの歌い方に感情がないように感じました。それで“今回の歌い方、何かいつもと違わないですか?”って伶菜さんに聞いたら“あえて無感情みたいな感じで歌ったんだよね”と言っていたので、あぁ、なるほど! 感情がなくなってしまうくらい絶望的なのかもと思ったんです。でも、パフォーマンスを考えた時は、めっちゃ踊りたいと思いました。歌詞や歌い方と逆にパフォーマーがかなり感情的に踊れば、チグハグ感が出て面白いんじゃないかなと思いました。だから、今回の楽曲では自分たちとしてもチャレンジしたと思いますし、表現したいことも全て詰め込めたので、踊っていてすごく楽しい楽曲になりました」
坂東 希(以下、坂東)「今、人によって捉え方が全然違うとおっしゃったように、私も本当にそういう曲になっていると思います。だから、歌詞自体も詩的というか抽象的で、今まで出してきたような恋愛の曲みたいに聴いている人に共感を求めるというのとは違うと思うんです。それだけにパフォーマンスも、この振りには歌詞のこの部分の気持ちを込めてというよりは、“絶望”というテーマで内に秘めた真っ黒な世界を爆発させて、それを身体いっぱいで表現している感じになっています。この3人の場合は最近、新生E-girlsとしての活動もあったので、それがFlowerとは真逆の世界観だなと思うんです。そう考えると、あぁ、Flowerっぽさというものができてきてるんだなと実感しましたし、自分たちで色付けできる楽曲が多いFlowerは面白いなと改めて思いました」
※続きは月刊Songs2017年9月号をご覧ください。