編集長「先日、日本が世界に誇るヤイリギターの岐阜工場に行ってきました! その際に“さくらしめじオリジナル・ギター”を作ってもらえることになりましたが、まずは喜びの声を(笑)」
田中雅功(以下、雅功)「本当に喜びですよね!」
髙田彪我(以下、彪我)「本当にこんなことあっていいのか!? って(笑)。オリジナル・ギターってなかなか作れるものではないですから」
雅功「もともとギターを作ることに憧れはあったんですけど、僕達はまだ15歳なのにそんな貴重な体験をさせていただけるなんて、本当にありがたいです!」
編集長「そんな気持ちを持って岐阜の工場まで行ったわけですが、初めて足を踏み入れた時の印象はいかがでした?」
彪我「工場に着いたら、まず“ヤイリギター”って表札が出ていて。上手く言えないんですけど、ヤイリさんというブランドは高級感があって、オシャレなイメージだったというか。でも実際に入ってみると、すごく馴染める感じがありました…ヘンな表現で本当にすみません(笑)。あ、アットホームな感じだ!」
雅功「それは僕も感じました。かなり歴史が長いブランドなので、職人さん達のイメージも硬派で、ずっと腕を組んで“話しかけるな”って言われちゃいそうな感じなのかなと思っていたんです(笑)。それが、実際に行ってみたら本当にアットホームな雰囲気で、僕らが質問すれば優しく丁寧に説明してくださったんですよ。温かい雰囲気を今回の訪問で一番感じました」
編集長「じゃあ、最初のイメージとはずいぶん違う?」
雅功・彪我「そうですね!」
編集長「作業工程で特に印象的だったことは?」
彪我「僕はボディーが接着される部分ですね。確かサウンドホール(ボディー表面の丸い穴)に向かって、“あ~!”って声を出したところ。それがすごく響くんですよ、ある決まった音が入るとボーン! って」
雅功「音程を変えながら、ある音になるとボディーの中で音が回り始めるというか。しかも、ギターそれぞれで、その音程は違うんですよね」
編集長「あれは、ギターのボディーチューニングがA(ラ)か、もしくはG(ソ)で一番鳴るように設定されているので、サウンドホールに声を“あ〜”って入れて音程を変えていくと、その設定された音に達したところで一番響くようになってるんだね」
雅功「僕が印象に残っていることは、ギターに音楽を聴かせていた部屋(シーズニングルーム)」
彪我「おぉっ!」
雅功「楽器を作る時に、音楽を聴かせて寝かせるっていうことは話には聞いていたんですけど、実際に見てみるとすごく感動しましたね。ギター作りの最終段階でこんなことまでやるんだなぁって」
彪我「すごかったですね」
編集長「製作途中のギターや完成間近のギターを一時的に寝かせる時にシーズニングルームへ入れるんだけど、ギターにとって一番いい温度や湿度で保管できる環境で、さらに音域の広い音楽(クラシック)を聴かせてるってところは驚くよね。確かに最初に見た時は“あれは何だ!?”って思う(笑)」
雅功「そうでした(笑)。でも、あの部屋ではギター1本1本に命を感じましたね」
※続きは月刊Songs2017年10月号をご覧ください。