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前作『S』から約1年10か月振りとなるSILENT SIRENのニュー・アルバム『GIRLS POWER』が完成した。レコード会社を移籍して初となるフル・アルバムを、どのような思いで作り上げたのか。アルバム完成直前のメンバーに話を聞いた。
Photo:荻原大志 Text:山田邦子

──この取材を行なっている時点では、制作もいよいよ大詰めといったところなんですよね。

ひなんちゅ「…はい(苦笑)」

すぅ「まだできてないです。大変です(笑)」

ゆかるん「あともう少し!」

あいにゃん「だけどリリイベは始まってるっていう。時系列がおかしいですよね(笑)」

──いつ頃から作ってたんですか?

すぅ「春ぐらいから動いていた気がします。『KNiFE』を録り始めたのが6月とかだったし」

あいにゃん「早すぎない!? って思ってたけど、結局全然間に合わなかったよね」

──ということは、移籍第一弾シングルの『フジヤマディスコ』リリース後すぐに取り掛かってはいたんだ。

すぅ「時期的に見るとそうだけど、気持ちとしてはちょっと違うというか。先のことももちろん考えてはいたけど、常に“今”のことが忙しすぎたんですね。今やらなきゃいけない、今片付けておかなきゃいけないことが多かったし、それに集中しすぎて他のことがあまり考えられなかったんです」

ひなんちゅ「確かに」

──実際、アルバムを作るにあたってはどういう気持ちで臨んだんですか?

ひなんちゅ「やっぱり心機一転っていうのはあったと思う。今まで(アルバムのタイトルも)S始まりが多かったけど、その縛りを一度なくそうっていうのも大きかったし。あと、曲の選び方みたいなのも今回は違いましたね。前だったら“この曲絶対盛り上がりそう!”“この曲好き!”“よし、入れよう!”って感じだったけど、今回は“これとこれ、BPM的に一緒だね”とか“歌詞の内容、似てない?”とか、頭で考えて選んだような気がしてます。“この曲を入れましょう、なぜならばこうだから”っていう理由が、1曲ずつにちゃんとある感じなんですよね」

──あぁ、なるほど。そうしたのはどうしてだったんですか?

ひなんちゅ「今回レコード会社を移籍して初めてのアルバムなので、スタッフも今までとは違うじゃないですか。そういう人達に向けて、ちゃんと自分達の言葉でプレゼンして納得してもらわないといけなくなったというか」

すぅ「右脳とか左脳とかで考えなきゃいけなくなったよね」

ひなんちゅ「うん。例えば歌詞についてもそう。今回私は歌詞を書いてないけど、あいにゃんとかやりとりがすごく大変そうだった。歌詞って作文じゃないから、文章としては“何でそうなるの?”みたいな繋がり方になっていても、全然いいと思うんですね。そういう感性の部分も、たくさんの人が手にする作品だからこそ、ヘンに突っ込まれないためにって…」

あいにゃん「理論で考えなきゃいけなかった。私はそもそも感覚的に書いちゃうタイプなので、今回作詞した『KNiFE』もすごく苦戦しました。苦戦したけどちゃんと“これがベストです!”って言えるものになったので、でき上がった曲を聴いた時は本当にやって良かったなって思いました。そうやって自分だけじゃない、色んな人の意見が入るようになってきたことで、よりブラッシュアップされるというか、1文字1文字の大切さを考えることにも繋がりましたよね。大変だったけど(笑)」

ひなんちゅ「あいにゃん、頑張ったよね(笑)。私、正直歌詞を書くのが怖いなって思っちゃうくらいでした。突っ込まれたらちゃんと返せそうにないから(笑)」

あいにゃん「でもすぅはすごかった。何かあっても、サッと(別のアイデアとか修正を)提出してたから」

ひなんちゅ「その分、色んな人に胸を張って届けられるような歌詞になったんだよね」

あいにゃん「時間はかかったけど、いいものになったのは間違いない」




※続きは月刊Songs2018年1月号をご覧ください。

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