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“次世代ピアノロックバンド”SHE'Sの2ndアルバム『Wandering』が完成した。『Beautiful Day』(TBS系テレビ『王様のブランチ』6月度エンディングテーマ)、『Over You』(TBS系テレビ『CDTV』6月度エンディングテーマ)の他、“まるで初恋のような、最後の恋にしよう”というフレーズが印象的な『White』、“燃えるような思いをずっと持っていたい”という願いを込めた『Flare』などを収録。エモ、ハードロック、ポップスなどを吸収した音楽性はさらに大きく広がっている。プロデューサーに片寄明人氏(GREAT3, Chocolat & Akito)を迎えて制作された本作について、メンバー4人に聞いた。
Photo:笹原良太 Text:森 朋之

──2ndアルバム『Wandering』、素晴らしいですね! 楽曲、サウンドメイクの両方において、表現の幅とスケール感を大きくアップさせた作品だなと思います。これは手応えがあるんじゃないですか?



井上竜馬(以下、井上)「ありますね! 『プルーストと花束』(1stアルバム)を作った時に“もっとこういうこともできた”“こんなこともやってみたい”と思って、それをしっかり形にして落とし込めましたね。制作期間もけっこう取れたから、メロディーをしっかり練ることもできたし、自分の中で精査して楽曲を提出できたんですよ。2017年は色んな音楽を聴いていたので、それも制作意欲に繋がったと思います」



木村雅人(以下、木村)「完成して全曲を通して聴いた時に“どれもリード曲として推せる”と思ったんですよね。それくらい良い曲が揃ったアルバムになったんじゃないかなと」

服部栞汰(以下、服部)「アルバムができてからもずっと聴いてるんですけど、今のところ“こうしたほうが良かったな”と思うところが1つもなくて。今やれることは全部やったし、出し切った感覚もあります」

広瀬臣吾(以下、広瀬)「アルバム全体もそうだし、1曲1曲におけるメンバー全員のバランスがすごく良いんですよ。“歌に対して、ドラムはこうする、ベースはこうする、ギターはこうする”というバランスがしっかり取れているというか。プロデューサーの片寄明人さんの力も大きいですね」

井上「片寄さんにはアルバムのプリプロ(レコーディング前の準備段階)から加わってもらって、アレンジに対しても色々と意見をもらったんです。お互いにバンドマンというのもあるし、すごく僕らのことを分かってくれて。“メロディーラインと(井上の)声がいい”と最初から言ってくれてたから、それを第一にして構築してくれたんだと思います」

──本誌の連載(SHE'Sの音楽室より)でレコーディングの取材もさせていただきましたが、音決めにかなり時間をかけてましたよね。ベースを何回か替えて全体のバランスを確認したり、すごく繊細にやってるんだなと。

広瀬「意外とやってるでしょ(笑)? フレーズをレコーディング当日に変えることもありましたね。エンジニアの方に“もうちょっと盛り上げて”って言われて、マジか! と思いつつも(笑)、“5分待ってください”ってその場で考えたり」

服部「そうやな(笑)」



木村「ドラムの音も色々試しました。GREAT3のドラマーの白根賢一さんにも参加していただいたんですが、“自分の知識では無理だな”と思うような音作りをしてもらったり。例えば『C.K.C.S.』は最初、ローピッチ(低い音)でやろうと思ってたんですけど、提案してもらったのがパンパンに張った高い音で。そのおかげで、昔のダンサブルな曲に対するオマージュみたいな雰囲気になったんですよね」




※続きは月刊Songs2018年1月号をご覧ください。

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