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昨年は映画『帝一の國』や『あゝ、荒野』など主演を含め話題作に数多く出演し、さらに6月に『見たこともない景色』で歌手デビューを果たした菅田将暉。ファン待望のアルバム『PLAY』では、石崎ひゅーい、柴田隆浩(忘れらんねえよ)、渡辺大知(黒猫チェルシー)、秋田ひろむ(amazarashi)、米津玄師といった豪華アーティストとの強力タッグが実現。“歌う、奏でる、演じる、食らわす、遊ぶ(楽しむ)”ことに向き合って作られたという楽曲の制作秘話を語ってもらった。
Photo:小嶋淑子 Text:奥村百恵

──1曲目の『さよならエレジー』は石崎ひゅーいさんが作詞・作曲を手掛けられていて、山﨑賢人さん主演、そして菅田さんも出演されているドラマ『トドメの接吻(キス)』の主題歌になっています。ドラマ主題歌を担当されてみていかがですか?



「まさかドラマの主題歌を担当させていただくことになるとは思わなかったですし、賢人とは昔から友達なので、彼の初主演ドラマの主題歌というのは何だか感慨深いです。知り合った当時は“ハンバーガーって世界一美味いよな”とか“吉野家の牛丼は世界一美味いよな”なんて会話ばかりしてましたから(笑)。お互いに何でも知っている仲間と一緒に仕事ができることが嬉しいですし、賢人が演じているエイト(ホストで本名は堂島旺太郎)の心情と、僕が演じている春海一徳(謎のストリートミュージシャン)の心情を加味した上でひゅーいくんが歌詞を書いてくれたので、すごく大事な曲になりました」

──ドラマの内容やお2人が演じるキャラクターの心情に合わせて作られた曲なんですね。

「100%そうです。ひゅーいくんとは主題歌のお話をいただく前から十数曲一緒に作っていて、お話をいただいてからはひゅーいくんが『さよならエレジー』を作り上げてくださいました。2人で作った曲でボツになったものもたくさんあるので、それを経てできた感じはあります」

──昨年、別の雑誌で石崎さんにお話をうかがった際に“菅田くんが書いた歌詞を初めて見せてもらった時に、このまま曲をつけてすぐにリリースできるじゃん! と思った”とおっしゃっていました。デビュー前から歌詞を書かれていたんですか?



「ブログをやっていた頃に、たまに無性に“どうでもいいこと”を書きたくなる瞬間があったんです。例えば、何両目に乗ったら何番出口に近いと教えてくれる乗り換え案内のアプリのことだけを一生懸命書いたり(笑)。しかも2両しかない電車なのに2両目に乗ったほうが改札に近いとか書いていて、その真面目さがバカバカしいなと思いながらそんな自分のことをいいなと思えたり(笑)。あと、たまにトイレにあるボタンが多すぎて結局使いこなせなかったりしません(笑)? ハイテクすぎるが故のバカさ加減って、日本人らしくて好きだなと思ってしまうんです。そんなことをブログに書いてはいましたけど、歌詞という形では全く書いてなかったです」

──菅田さんが作詞をされた『いいんだよ、きっと』はどんなイメージで作っていかれたのでしょうか?

「たまたま渋谷ですれ違った男の子がいて、その子のことを僕の中で勝手に膨らませて書いた歌詞をひゅーいくんに送って、その時によく聴いていたオアシスっぽい感じでとお願いしたら、翌日には曲になったものが送られてきたんです。そのあとひゅーいくんと2人でプリプロして、少しだけ歌詞を書き替えて、さらにトオミヨウさんが“夢見心地な雰囲気”をアクセントにしたアレンジにしてくれて曲が完成しました」

──続いて『ピンクのアフロにカザールかけて』は忘れらんねえよの柴田隆浩さんが作曲されていますが、以前雑誌の企画で柴田さんが“歌詞をくれ!”というメッセージを菅田さんに送ってましたよね。



「送ってくださいましたね。日々思うことを書いている中で、この曲のような歌詞は見せる相手を選ぶというか。“俺って気持ち悪いな、ヤバいな”と思ってしまう内容でもあり、でもこの気持ちは嘘じゃないし、どうしようかなと思った時に“柴田さんに見てもらおう”と。この薄っぺらい熱情と文句みたいな歌詞を、柴田さんならきっとロックにしてくれると思ったんです。それで歌詞を送ったら1週間で曲をつけてくれて“俺らキモっ! 有言実行かい!”って思いました(笑)。柴田さんは最高なんですよ。でもなぜかちっさい部分もあったり(笑)」


※続きは月刊Songs2018年4月号をご覧ください。

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