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人気コミック「曇天に笑う」を『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督がメガホンを執り映画化が実現。主演に福士蒼汰を迎え、文明開化の明治初期を舞台にした、男達がぶつかり合うアクションエンターテインメントムービーとなっている。重罪人を取り締まり、監獄への橋渡しを務める曇 天火(くもう・てんか)を演じた福士に、今作の撮影秘話や役への思い、さらに音楽について語ってもらった。
Photo:小嶋淑子 Text:奥村百恵

──完成をご覧になっていかがでしたか?



「観終わったあとすぐに“胸アツ”という言葉が思い浮かんだほど、カッコいいアクションや兄弟の絆、命をかけて仲間を守るといった熱いものが全て詰まった映画だと思いました」

──初の本広組の現場はいかがでしたか?

「撮影中に監督のこだわりを感じたのはもちろんですが、一度完成したものを観て監督が“追加で撮りたいものがある”とおっしゃって。なかなかそこまでこだわって撮られる方はいないと思うのですが、納得のいくものを完成させたいという監督の信念から追加の撮影を敢行したんです。作品への愛によってアイデアが湧き出て、さらにそれを実行させてしまう姿を見て、熱意のある監督とご一緒できて良かったなと思いました」

──天火を演じるにあたり、どんなことを意識しましたか?



「監督が“天火は空丸と宙太郎の父親のような存在であってほしい”とおっしゃったので、長男としての役割だけではなく、父親代わりでもあるということを意識して演じました。他には、兄弟に見せる笑顔と桐山 漣さん演じる金城白子や犲(やまいぬ/東山紀之演じる右大臣の直属部隊で古川雄輝や大東駿介が演じている)のメンバーに見せる笑顔に変化をつけるようにしていました。笑顔の出し方によって“笑う意味合い”が変わってくるので、そういったことを意識しながら演じるようにしていたと思います」

──弟達を大事にしている天火ですが、一番印象に残っている兄弟のシーンを教えていただけますか?

「ずっと隠してきた秘密を空丸に打ち明けるシーンで、本当のことを話した天火から空丸は離れていってしまいます。でも、兄弟ってそういうところがあるんだろうなと。きっと空丸は長い間、真実を隠されていたことに腹を立てているでしょうし、その上、兄にはかなわない無力さも感じてしまっている。事実を正直に話したから良いというのではなくて、その奥にある気持ちの葛藤をしっかりと描いているので、リアルな兄弟の関係を表現できているのではないかと思いました。このシーンはとても印象に残っています」

──空丸を演じた中山優馬さん、宙太郎を演じた若山耀人さんとの共演はいかがでしたか?

「実は優馬とは同い年で初共演なので、兄弟役はお互いにやりづらいのではないかという不安があったんです。ところが会ってみるとものすごく誠実でとてもしっかりしていて、撮影中は兄として接してくれたので一気に不安は消えましたし、優馬には本当に助けられました。耀人は普段から“みんなの弟キャラ”のような存在だったので、自然と兄として接することができました。2人のおかげで兄としての天火を演じることができたと思います」

──お2人との撮影現場でのエピソードで思い出に残っていることはありますか?



「現場では耀人がムードメーカーになって、犲のメンバーを演じたキャストのみんなと盛り上がっていました(笑)。耀人のことをみんなが大好きで、彼が面白いことをするたびに爆笑が起きていたのが印象に残っています。優馬は虫が嫌いなので虫を発見するたびに大騒ぎしていました(笑)。ある日アリが足を登っているのに平然としている僕を信じられない表情で優馬が見ていて、“アリが足を登っているのに冷静でいられるなんてありえない!”と言われたことも(笑)。それぞれ個性豊かで楽しい現場でした」

──今作は本格的なアクションシーンも見どころとなっていますが、天火は鉄の扇子という特殊な武器を使っています。鉄扇を使ったアクションというのは難しかったのではありませんか?


※続きは月刊Songs2018年4月号をご覧ください。

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