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──とてもユニークな物語の今作で、主題歌『参上!!ドルメンX』と劇中歌『ナミダまで心臓（ハート）』の作曲を手掛けてらっしゃいますが、監督からは何かリクエストはあったのでしょうか？

「『参上!!ドルメンX』はメンバー1人ずつを紹介するような曲にしたいというのと、にぎやかで明るい曲でというリクエストがあったので、1人ずつのパートを考えていって、それを全部くっつけてサビを作ったら完成という感じでした。意外とスーッと作れたというか、きっとこういう依頼は初めてやから、アイデアがたくさん出てきたんでしょうね。『ナミダまで心臓（ハート）』はバラード系でというリクエストがありました」

──くっきーさんはバンド活動をされているのでどんな感じの曲を作られるのかなと思ったのですが、映画を拝見したら『参上!!ドルメンX』が“ザ・アイドルソング”だったので驚きました。

「昔からイベントで流す曲を作ったり、ネタで使うVTRに合わせた曲も作ったりしていたので、今回も何の問題もなくスーッとでしたね（笑）。アイドルソングって何となく自分の中でイメージがあるじゃないですか。そのイメージを形にしていった感じです」

──アイドルソングを意識した曲作りは楽しかったですか？

「楽しかったです。ただ、『参上!!ドルメンX』は大阪でめちゃめちゃ根詰めて作ったんですけど、そっちに時間を取りすぎてだんだん締め切りまでの残り時間がなくなってきてもーて…。そんな中、“あともう1曲作らなあかんやん！”と焦って鼻歌で何となく“フンフンフーン♪”と歌ったら、それをPAさんが譜面に起こしてくれて。結局『ナミダまで心臓（ハート）』は5分ぐらいで完成しました（笑）」

──5分で作ったとは思えないほど、すごく素敵な曲ですよね。原作者の高木ユーナさんが歌詞を書いてらっしゃいますが、先に歌詞があったのでしょうか？

「そうですね。『参上!!ドルメンX』は最初にもろた歌詞をちょっと削ったりして上手くメロディーに乗せていって、『ナミダまで心臓（ハート）』は言葉が多かったから全部字余りで、吉田拓郎さんみたいな歌い方をしないといけない曲になりました（笑）。なぜかというと、僕が歌詞を削ったりするのを怠ったから（笑）」

──（笑）。今回をキッカケに色んな作品のプロデュースをしたくなったりしませんでしたか？

「ガッチリと作品にハマる曲を作るのはめっちゃ難しいんです。飽きる間もなく今回は終わったからいいですけど、飽きてくると遊んじゃうタイプなので、例えばあともう1曲作らなあかん状況やったら相当ヘンな曲になってたと思います。だって『乳頭の歌』とか絶対に使えないでしょ？（笑）　だから2曲が限界で、3曲以上はちょっとしんどいっすわ（笑）」

──ちなみに昔好きだったアイドルはいましたか？

「僕はバンドブーム世代なので、おニャン子クラブも通ってないし、好きなバンドの曲ばかり聴いてたんです。良い曲だなと思って聴いてたのは斉藤由貴さんぐらいかな。アイドルとは違うけど研ナオコさんの『かもめはかもめ』や『あばよ』とか、中島みゆきさん作詞・作曲の曲がカッコ良くて好きでよく聴いてました」

──映画にとって音楽はすごく大事な要素ですが、好きな映画音楽や音楽映画はありますか？

「音楽映画だとモッズ（1950年代後半から1960年代にイギリスで流行した音楽やファッションなどのライフスタイルやムーブメント）の青年が主人公の『さらば青春の光』やセックス・ピストルズのドキュメンタリー映画『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』が好きです。映画音楽だと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のサントラがすごくいいですよね」

※続きは月刊Songs２０１８年７月号をご覧ください。