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2010年のデビュー以来、幅広い世代に支持されてきたシンガーソングライターのmiwaが、初のALL TIME BEST ALBUM『miwa THE BEST』をリリースした。24枚のシングルと新曲2曲。CD2枚組、全31曲のラストには名曲『めぐろ川』も収録されるなど、盛りだくさんな内容となっている。
Photo:小澤正朗 Text:山田邦子

──初のベスト・アルバム『miwa THE BEST』がリリースされました。完全生産限定盤のジャケットに登場しているお花のギター、すごいですね。



「これ、生花なんです。実際に見てもすごくキレイでしたよ。今回のジャケットのためだけに使うものなので、撮影の時間から逆算しながら、スタジオで実際に作ってくださったんです。色んな方に見てもらうために実物を展示とかできたら良かったんですけど、何せ生花なので」

──残念です。初回限定盤と通常盤は、じっくり見ると気づく仕掛けが楽しくて。

「そうなんです。よく見ると“あ、ここにも…!”っていう(笑)。ぜひ、ジャケットを手にとって見てみてください」

──さて今回のベスト・アルバムですが、どうしてこのタイミングだったのかというところから聞かせてもらえますか?

「(デビューした翌年の)2011年から、アコギ1本で弾き語りをするアコギッシモ(「miwa acoustic live tour “acoguissimo”」)というシリーズのツアーをやってきたんですが、今年の6月10日の横浜アリーナで、目標だった47都道府県を全て回ることができたんです。そこが、やっぱり私らしい、いいタイミングなのかなと思って」

──足掛け8年ということですが、横浜アリーナの景色はどうでした?

「やっていることはギターを弾いて歌うっていうとってもシンプルな、(他の都道府県でのライブと)変わらないことではあったけど、横浜アリーナのステージから見たあの景色──1万人という規模の人達がいてくれる中で弾き語りができたのは、すごく幸せな光景でした。たくさんの人に自分の音楽を聴いてもらいたい、自分の歌を聴いてもらいたいと思ってずっとやってきたのですごく嬉しかったですし、自分の弾き語りライブに来てくれる人がこんなに増えたんだなって思うと、今までの8年間の出会いについても思うところがありました。スタッフの人もそうだし、ファンの人もそうだけど、仲間が増えたんだなって。一緒に旅をしてきたような感覚があって、自分1人のライブじゃない、みんなで作っていくものだったんだなって思いが込み上げてきました。感動と感謝の気持ちでしたね」

──では、改めてベスト・アルバムについてうかがいたいのですが、CD2枚組、全31曲が収録されています。

「何となくシングル曲は全部入れたいなということは思っていたんですが、いざ作ってみたら、それだけでいっぱいになっちゃいました(笑)」



──(笑)。シングルがリリースされた順番に収録されていますね。

「はい。でも今回音源を収録するにあたっては、リマスタリングという作業をしました。私も9時間、スタジオで立ち会ったんですよ。他のスタッフさんはもっともっと時間をかけてやってくださってますけど」

──改めてこれまでの楽曲と向き合ってみて、思うところはありました?

「シングル曲ということでライブでずっと歌い続けているので、そのたびに聴き直しているからあまり懐かしく思うという感じではなかったですね。それよりも、そうやって聴き続けてきた曲、つまりシングルだけを切り取って並べてひとつの作品にするということは、今作っている曲の音像と、8年前とかもっと前とかに書いた曲の音像を統一していくという作業でもあったので、時を超えてまた今風の音像になっていくような感覚でもありました。同じ曲であっても、シングルの『don't cry anymore』とはまた違う、ベスト・アルバムの『don't cry anymore』になっているなぁって」

──なるほど。しかしこう見ると、本当に色んなタイプの楽曲を歌ってきましたよね。



「そうですね。本当にバリエーションが豊かというか、色んな曲調で、色んなテーマで書いてきたなと思います」

──miwaさんの曲は映画やドラマの主題歌としても多く使われているので、そういった作品とともに聴き込んでこられた方もたくさんいらっしゃると思います。今回は新曲も2曲収録されていますが、『Unchained Love』はフジテレビ系ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018年4〜6月放送)の挿入歌でもあったんですよね。

「はい。この曲は、これまでとはちょっと違う大人っぽい曲にしようということで作っていきました。歌い方とかも含めて、いわゆるmiwaっぽくない曲というか。理不尽な別れとか、まだ思いがあるけど離れてしまう状況とかがテーマになっているので、同世代から自分より上の女性の方にもきっと共感してもらえるような曲になっています。今回もそうですけど、ドラマのように何かテーマをもらったら、それに向けて曲を書いていけるのですごく勉強にもなるんですよね。刺激にもなるし。そこに合わせて自分が変化しているというのも面白いなと思います」


※続きは月刊Songs2018年8月号をご覧ください。

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