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AAAのリーダー・浦田直也がurata naoya(AAA)としてソロ・アルバム『unbreakable』を7月25日にリリースする。それは全曲の作詞を自身が手掛け、“自分は簡単には壊れない”ことを表現した1枚。人間としての強さを手に入れた今のurataの姿が感じられる作品になっている。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:髙橋栄理子

──ソロとしては1年3か月振りのアルバムがリリースされることになりましたが、今回も全曲の作詞を手掛けた意欲作。どんな思いで、この1枚に取り組んだんですか?



「前作の『unlock』(2017年4月リリース)で自分としては、心の奥深い部分を表現したつもりだったんですね。言ってはいけないことを言いたくなってしまったというような裏テーマを持って作ったので、心の中にたまっていた色んなものを吐き出したというか。だから今回は、去年それを言えたことによって開き直ったというか(笑)、一歩進んで強くなった自分を見せられたらいいなと思ったんです。単にカッコいいというのではなく、ツラいことや悲しいことを経験したことで、そんな簡単には壊れない自分になった。そういう強さを、今回のアルバムでは出せたらいいなと思ってました」



──それで『unbreakable』なんですね。ということは、前回の『unlock』があったからこその今作ということでしょうか?

「その通りです。自分で作詞をしたり、こういうイメージのものにしたいと思って作ったソロ・アルバムは、前作が初めてだったんですよ。それを作ったことによって新しい発見もあったし、自分のやりたいことだけじゃなく、やるべきことも分かった気がして。その結果、生まれたのが今作なんです」

──自分発信で1枚作り終えたことで、ある種の自信も生まれたでしょうしね。

「そうですね。“自分の本当にやりたいことを楽しむぞ”っていう強さと、“もう大丈夫。どれだけ打たれても倒れないぞ”っていう強さ。その両方を持てた気がします」



──ただ前作と違うのは、作曲を全て宗本康兵さんが手掛けていること。宗本さんは昨年行なわれた『unlock』のツアーでもバンマスを務めていた方ですが、どういう経緯で彼とタッグを組むことになったんですか?

「もともと知り合いだったんですよ。それでツアーを手伝ってほしいとお願いしたんです。そのツアー中に友達ということもあって、仕事とプライベートの両方を康兵くんに見てもらっていて。その結果、僕が音楽に対して思っていたより、かなり真面目なんだって気づいたらしいんです(笑)。例えばライブ中に声が裏返ってしまったりすると、ショックでテンションが一気に下がったりとか(笑)。康兵くん的にはそれが意外だったみたいで、“もっと自由に音楽をやったほうがいいんじゃない? そのためにも自分を分かってくれている人とやったら?”って言ってくれたんですよ。それは別に康兵くんがやりたいという意味ではなかったと思うんですけど、やっぱりツアー中だったから、俺だったらこういう歌を歌ってほしいとか、もっと歌いやすいキーを設定できるのにっていう話になるじゃないですか。その中で自然に次のアルバムの話題も出てきて、“じゃあ、例えばツアーをやるとしたら、1曲目はどういうのにする?”みたいな感じで進んでいったんです」

──urataさんからは、どういうアイデアを宗本さんに投げたんですか?

「僕は色ですね。こういう色の曲が欲しいっていうような感じで。僕は楽器ができるわけでも音楽用語に詳しいわけでもないから、“どういう系がいいの?”って聞かれた時、“赤とか青”って伝えたんです。そこから康兵くんがイメージして、“こういう赤? こういうオレンジ?”って曲を作ってきてくれて。そこから始まって、“赤っていっても真っ赤じゃなくてベルベットの赤なんだよね”みたいな感じでやり取りして進めていったんです」

──結構細かい部分までurataさんがリクエストしたんですね。



「そうですね。インタールードを入れたのもそのひとつです。僕はこのアルバムを1日の流れとして考えていたんですよ。そう考えた時、4曲目の『once in my life』と次の『orange』の間に、何か足りない時間がある気がして。『once〜』は真昼間だったのに、そこから『orange』だと急に夕陽が落ちちゃう(笑)。そうじゃなく、その前に、楽しかったね。疲れたな〜みたいに、ちょっとぼーっとする時間が欲しかったので、『orange』の前に『twilight』を入れてもらったんです」

──オープニングを飾っている『unbreakable』も印象的。ファンファーレのような華やかさと力強さがありますよね。

「自分という人間が強くなったよっていうことを最初に表現したかったんです。だから、華やかさもあると思いますけど、この人、すごく強いって、どこかゾクッとするような感覚もあると思うんですよ。子どもっぽい例えでいうなら王様が出てきたような感じ。そういうイメージで始まりたいっていうのは、去年のツアーの中くらいからずっと言ってました。ライブもそうしたいからって」


※続きは月刊Songs2018年8月号をご覧ください。

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