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スクリーンを彩ってきた名曲を歌うカバー・アルバム『Cinema Song Covers』をリリースするMay J.。映画『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』といった近年の話題作から、ライブで定評のある『I Will Always Love You』(ホイットニー・ヒューストン)やオペラ曲『Time To Say Goodbye』などを極上のサウンドとボーカルで仕上げた、濃密な2枚組だ。レコーディングの様子やボーカル面でのエピソードなどをうかがった。
Photo:松井伴実 Text:山田邦子

──髪、ばっさり切ったんですね! とてもお似合いです。



「こんなに短く切ったのは、人生初なので緊張しました(笑)。これまでは髪が長いことが自分のシグネチャーというか、なくてはならないもののような気がしてこだわっていたのですが、何かもういいかなって思ったんです。30代という新しいステージのための気合いということも含めて、今回のアルバムのジャケット撮影の日に切りました」

──そのアルバムというのが、May J.さんにとって4枚目となるカバー・アルバム『Cinema Song Covers』です。

「今回は、これまで以上にすごく自然な流れでできたものなんです。ここ4年ぐらい、フルオーケストラでライブをさせていただく機会がすごく増えたんですね。オーケストラやストリングスとの関わりというものが濃くなっていく中で、本当に心地いいな、もっとこういうところで歌いたいなって思うようになったんです。また、そういうライブでは必ずと言っていいくらいシネマソングがテーマになるんですね。シネマとオーケストラはマッチングもすごくいいし、自分自身にとってもすごくレパートリーが増えていったので、これはぜひ作品にしたいなと。だから感覚としてはカバー・アルバムを作ろうとしたわけではなく、ライブの流れから自然と、オーケストラやストリングスやアコースティックなどの生音にこだわった、シネマミュージックを楽しめるアルバムができたっていう感じなんですよね」

──選曲するにあたっては、嬉しい悲鳴だったんじゃないですか(笑)?

「本当に(笑)。でもひとつ気が付いたのは、ヒットした映画のテーマ曲ってほとんどがバラードなんですよ。だから今回もバラードが多くて。アップテンポは映画『ラ・ラ・ランド』の『Another Day of Sun(with Miracle Vell Magic & Beverly)』くらいかな」

──どうしてバラードが多いんでしょうね?

「やっぱり、心にガツンとくるからじゃないかなと思っています。例えば“1曲であなたの全てを見せてください”って言われたら、私もバラードを選びますからね。自分の持っている力が発揮できるし、見せどころもあるし、メッセージをしっかり伝えることもできるから」

──なるほど。しかしどの曲も、聴いていると映画の名シーンが一瞬で蘇ってきますね。



「そう、そこが映画音楽のいいところなんですよね。最近だと私も『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』を映画館で観たんですけど、観た瞬間からもう“これ、絶対歌いたい!”って思ってました(笑)。映画の中で使われている楽曲はどれも素敵だったんですけど、例えば『グレイテスト・ショーマン』の『Never Enough』は、私が今やりたい音楽に近いものを感じたんです。クラシカルで、だけどポップスとオペラを混ぜたような感覚もあって。帰宅してすぐ、YouTubeを見ながら歌いました。それくらい、歌いたいって気持ちを抑えられなかった1曲です。『ラ・ラ・ランド』は、全曲大好き。『Another Day of Sun』はオープニングでたくさんの人が歌うインパクトのある曲ですが、今回はあえて女性3人で歌いたいなと思い、BeverlyちゃんとMiracle Vell MagicのVellちゃんに声をかけました。Beverlyは誕生日が一緒だし、Vellちゃんは学校の後輩でもあることが分かってびっくり。他にもいくつか共通点があって、学生に戻ったような気持ちで楽しく歌うことができました」

──その楽しさは、歌声からも伝わってきますね。

「実際に歌ってるのは3人だけど、本当は50人くらいで歌っているような曲なので、3人で色々テーマを決めてコーラス録りもやったんですよ。おばちゃんになった感じでとか、次は子どもでとかキャラを決めて(笑)。それを、みんな瞬時にできちゃうのがすごいんですよ。ぜひそこにも注目して聴いてみてください(笑)」


※続きは月刊Songs2018年8月号をご覧ください。

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