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杏子×山崎まさよし
杏子・山崎まさよし・岡本定義(COIL)・元ちとせ・スキマスイッチ・長澤知之・秦 基博・さかいゆうなど、オフィスオーガスタ所属アーティストによるスペシャル・プロジェクト“福耳”が、結成20周年を記念したベスト・アルバム『ALL TIME BEST 〜福耳 20th Anniversary〜』と、デビュー20周年を迎えるCOILトリビュート盤とも言える福耳初のオリジナル・アルバム『シンガーとソングライター 〜COIL 20th Anniversary〜』を同時リリース! 1999年の1stシングル『星のかけらを探しに行こう Again』から最新曲『八月の夢』までが網羅されたベスト・アルバムには、個性と才能を併せ持ったシンガー、ソングライター、サウンドクリエイターたちによる豊かで心地良い“歌”がたっぷりと込められている。福耳の20年について、杏子、山崎まさよしに聞いた。
Photo:松井伴実 Text:森 朋之

──福耳の20周年、おめでとうございます! ベスト・アルバム『ALL TIME BEST 〜福耳 20th Anniversary〜』を聴いて、本当にいい曲ばかりだなと改めて実感しました。



杏子「ありがとうございます。ベスト・アルバムという形にまとめることで、私も久し振りに聴いた曲もあって。“この時のレコーディングはこんな感じだったな”って思い出したりしましたね」

──福耳はもともと、1998年4月に行なわれたZepp Sapporoのこけら落としライブをキッカケに結成されたとか。

杏子「“福耳”は、その時のライブのタイトルだったんですよ。山崎まさよし、スガ シカオ、杏子の3人で開催したライブだったのですが、なぜかポスターに“福耳”と書いてあって。その時は大して気にしてなかったんだけど(笑)、そのあと、カレーのCMに3人で出たりしているうちに“CDのジャケットを撮りましょう”“MUSIC VIDEOを作りましょう”という話になって、“あれ!?”って」

──それが1stシングル『星のかけらを探しに行こう Again』だったと。

杏子「『星のかけらを探しに行こう』は最初、私のシングルとしてリリースした楽曲だったんです。当時の事務所の社長の森川欣信(現・最高顧問)がヤマ(山崎)やシカオを呼んでコーラスを入れて。“そんなバージョンを作ってどうするんだろう?”と思っていたら、それが福耳のシングルになったっていう。その時もずっと続くプロジェクトになるとは思ってなかったんですけどね(笑)」

──その後、『星のかけらを探しに行こう Again』はAugusta Camp(1999年に始まったオフィスオーガスタ所属のアーティストによるイベント)を象徴する楽曲になりました。

杏子「オーキャン(Augusta Camp)の最後にみんなで『星のかけらを探しに行こう Again』を歌うのが恒例になりましたからね。最初は私がメインのパートを1人で歌って、みんながハーモニーをしてくれていたんだけど、“これだけ素晴らしいボーカリストが揃っているんだから、全員で歌ったらどうだろう?”ということになって。ただ、キーが難しいんですよ。男性にとっては高いけど、女性にとっては低いという、あんまり優しくないキーなんだけど(笑)、みんなで歌い継ぐことで、さらに味が出たというのかな。その時ですね、色んな声で繋いでいくのが“福耳”なんだなと思ったのは」

山崎まさよし(以下、山崎)「うん。みんな声に個性があるので、みんなで歌っていても誰の声かすぐ分かるっていう面白さがあるんですよね」

杏子「オーキャンの思い出もたくさんありますね。境港でオーキャンをやった時(2015年の「AUGUSTA CAMP EXTRA in境港」)、竹原ピストルと松室政哉にも急遽『星かけ』(『星のかけらを探しに行こう Again』)を歌ってもらうことになったんだけど、本番でピストルくんがとんでもないところから歌い始めて、客席がドッと沸いたんですよ(笑)。一緒にやっていたスキマスイッチの2人が“俺たち頑張ったのに、ピストルに全部持っていかれた(笑)”って言ってました」

山崎「福耳はオーキャンから始まったところもありますからね。Augusta Campをここまで続けてこられたのはお客さんのおかげだし、自分はのらりくらりやってますけど(笑)、スキマスイッチを始め、後輩たちが率先してやってくれたことも大きかったと思います」

──『惑星タイマー』(2006年リリース)は、スキマスイッチのプロデュース作品ですね。

杏子「はい。それまではヤマが曲を作ったりしてたんだけど、そのタイミングで“スキマに任せよう”ということになって。福耳にとっても新しい取り組みだったし、1つのキーポイントだったと思います。その時点でスキマの2人も、福耳をディレクションする経験値を持っていたと思うしね」

──当時、スキマスイッチの2人は、“先輩をディレクションするのはすごく緊張する”と言ってましたけどね。

杏子「そうなんだ(笑)。自分たちのレコーディングですごくこだわっているのは知っていたから、こっちも緊張してましたよ。周りのスタッフや、先に歌を録ったメンバーに、“どんな感じだった?”って聞いたり。ヤマのレコーディングの時、スキマの2人が“もうちょっと跳ねて歌ってもらえますか?”と言ったら、ヤマがブースの中でピョンピョン跳ねたという話もありました(笑)」

──その後も、さかいゆうさん、秦 基博さん、長澤知之さんなども福耳の楽曲をプロデュースして。それぞれの色が出ているのも興味深いな、と。

山崎「後輩たちが毎年毎年、育ってくれていますからね。頼もしいですよ!」


※続きは月刊Songs2018年9月号をご覧ください。

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