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HYがトリビュート作『CHANPURU STORY 〜HY tribute〜』、続けてセルフカバー・ベストアルバム『STORY 〜HY BEST〜』を発表することになった。今回は2年前にコラボレーション・アルバム『Synchronicity』を共同制作し、トリビュート作にも参加している盟友・BIGMAMAとの座談会形式でお届けしたい。和気あいあいと会話が繰り広げられる中で、お互いのリスペクトが滲み出た興味深い話が盛りだくさんだ。
Photo:松井伴実 Text:荒金良介

──今回はHYのトリビュート、セルフカバー・ベストが立て続けに出ることになりましたね。



名嘉 俊(以下、名嘉)「今年結成18年目に入るんですけど、20周年にそういうことができたらいいと思っていたんです。スタッフから“こういうアイデアはどう?”と言われて。早いに越したことはないですからね。でも心配でした、誰が歌ってくれるんだろうと」

──トリビュートのことですね?

名嘉「うん。だけど、たくさんのアーティストが参加してくれて、その中にBIGMAMAもいて、まさかあの曲かい! って」

──BIGMAMAは今回のトリビュートの話をもらった時はどうでした?

金井政人(以下、金井)「まず断る理由が見つからないし、俺達なりに一番いいくすぐり方をしたくて。他のアーティストさんの名前を見た時に、自分達はどうしたら突き抜けられるかなと。そう考えると、『ホワイトビーチ』をこうしてみるというアイデアが浮かんだんですよ。その曲のリクエストが通った時は、これはチャンスだなと」

──チャンスというのは?

金井「日本を代表する歌姫(仲宗根 泉)だから、僕はまともに歌っちゃダメなんですよ。だから、この5人で強烈なアレンジをして返そうと。あと、僕らはHYと一緒にツアーを回っているからこそ、HYのファンが寛大なことも知っているし。だからこそ、一番怒られて、ぶっとばされてもいいのがBIGMAMAかなと(笑)」

──確かに今回のカバーの中で、BIGMAMAの『ホワイトビーチ』が一番ぶっとんでました!

名嘉「いい意味でめちゃくちゃ掟破りだし、トリビュートの枠を越えて、どこに行ってしまうんだろうって」

仲宗根 泉(以下、仲宗根)「BIGMAMAの新曲みたい」

──いや、ホントにそうですよね。

名嘉「BIGMAMAはホントにゼロから作り上げているから、その熱量は今回の中でナンバーワンじゃないかな。聴いた時に、ん? ウソだろ!? と思ったもん」

安井英人(以下、安井)「スタジオでいつ止めようかなと思っていて」

全員「はははははは」

柿沼広也(以下、柿沼)「最初、安井だけ丁寧にコピーしてたんだけど、いきなり金井が壊そうと言い出して(笑)」

リアド偉武(以下、リアド)「(金井が)歌詞を替えると言い出した時に、カバーって何だろう? って

全員「はははははは」

柿沼「だから、俺らも最初は壊そうじゃなく、HYと一緒にツアーを回って、『ホワイトビーチ』がどれだけ大事な曲かも分かっていたので。歌詞を替えるのは……ギリギリまでこれは良くないと思っていて。でも金井が“最大限のリスペクトなんだよ”って。なるほど、それが金井らしくもあるし、俺らも腹をくくって怒られようと(笑)」

──いきなり真緒さんのバイオリンで始まるところからビックリしました。

東出真緒(以下、東出)「HYのみんなが“バイオリンいいよね”って言ってくれてたから。この音色から入ったら、みんなが“やるねぇ!”って沖縄で言ってくれるかなと」

新里英之(以下、新里)「全部伝わってきましたね。聴いた瞬間に、来た! BIGMAMA節だ! 歌詞も替わってるし、それも金井くんらしいなって(笑)。HYの中まで入り込んで、自由にやってくれているのが嬉しかったですね」

金井「1つだけ言い訳をすると、歌詞を読み解いた時に、白い天使が舞い降りるという歌詞があって。で、自分達の2ndアルバム(『Dowsing For The Future』)の中に『それはきっと天使が長く勤まらない理由』という曲を書いていて、その2つが自分の中でリンクしたんですよ。あわよくば、BIGMAMAバージョンをカッコいいと思ってくれたBIGMAMAファンが、HYの原曲に辿り着いてくれたら嬉しいなと。それが僕らができる恩返しかなと。それが自分の中でストーリーとして見えたから。単純に新しい歌詞を書きたかったわけじゃなく、過去の自分達の曲と結びつけられたらいいなと」


※続きは月刊Songs2018年9月号をご覧ください。

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