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9枚目となるファンキー加藤のシングル『希望のWooh』。ストレートな思いや熱をダイレクトに伝える表題曲は、現在も続いている「ファンキー加藤 全日本フリーライブツアー〜超原点回帰〜」の中で感じてきたことがキッカケとなり、生まれたそうだ。カップリングも含め、ファンキー加藤の“今”を映し出した作品に仕上がっている。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:山田邦子

──現在「全日本フリーライブツアー〜超原点回帰〜」の真っ最中。今年3月から、かなり細かく回っていらっしゃいますね。



「はい。リリースイベントなどもありますけど、どうしても大都市が中心になるじゃないですか。大都市以外にお住まいの方ってフリーライブとはいえ、いつも交通費を出してわざわざ会いに来てくれる。だから今回は、できる限り色んな場所へ僕から会いに行こうと。自分が生まれ育った街に来てくれて嬉しいですって声が、僕はとても嬉しいです」

──そもそも、どうして“超原点回帰”をやろうと思ったんですか?

「単純に、自分の音楽を色んな人に聴いてもらいたいって思いは常々あって。テレビやラジオを通してということもできますが、自分の音楽のスタイル的には、できれば生で、ライブで体感してもらえるのが一番だと思っているんです。幸いなことに、身軽に歌いに行けるじゃないですか。バンドではないので。“超原点回帰”と銘打ってはいますけど、要するに、常にフットワーク軽くライブをやっていたいっていうことなんですよ」

──今回のフリーライブは撮影OKにしているそうですね。



「基本的には撮影OKにして、世の流れ的にも、SNSとかで広めてくれたらまた何か面白いことに繋がっていくんじゃないかなと思って。でもね、最初の頃はすごく違和感がありました」

──スマホが向けられていることに。

「そう。全員ではないですけど、撮ることに集中していて、全然一体感を感じられなかったんです。正直、スタッフにも泣き言を言いました(笑)。でもそこで心乱していても仕方がないし、ファンの人達は俺のそういう思いも汲んでくれますからね。手を上げたりジャンプしたり、一緒に盛り上がってくれました」

──ライブの景色も変わりましたよね。

「FUNKY MONKEY BABYS(以下、ファンモン)の頃にはケータイでライブを撮るなんてまだ一般的じゃなかったし、そもそもデビューの頃なんて来てくれる人がいませんでしたからね(笑)。今回の“超原点回帰”では10年振りに訪れた場所なんかもあったんですが、当時も来てくれてた人がいたりして嬉しかったですよ。中学生だった子が、すっかり大人の女性になってたりしてね。僕もおっさんになるはずだよなんて思いつつ(笑)、久し振りの再会を楽しんでます」

──そういう場所で新曲が披露できるのは嬉しいですね。



「そうですね。ファンモンの楽曲も歌いつつ、ちゃんと今のファンキー加藤の一番新しい曲も歌えている。すごく意義のあるツアーになってるなと感じています」

──では改めて、新曲『希望のWooh』について聞かせてください。

「実は、この“超原点回帰”がキッカケでもあるんですよ。ライブが終わって握手会があるんですけど、本当に短い時間なのに、皆さん一生懸命に悩み事とか不安とかを打ち明けてくれるんです。僕がずっとこういうスタイルで歌っているからこそだと思うんですが、中には涙ながらに訴えてくる人もいて。こういう病気になってしまったとか、転職を考えているんですとか、恋人とうまくいかなくてとかね。できる限り時間をかけてゆっくり話を聞きたいと思っているけど、そうもいかないから、“頑張ってね”“応援してるからね”って言葉をかけてお見送りすることしかできない。だけど、その感じが自分の中でどうにも気持ち悪い。そして改めて、みんながファンキー加藤に望んでるのはそういうことなんだよなって思ったんですよ。今一度みんなのネガティブな感情や弱ってしまった心にしっかり寄り添って、ちゃんと光を照らしてあげられるような曲を作ろう。ゴチャゴチャ余計なことは考えずにね。そういう決意のもとで作った曲なんです」


※続きは月刊Songs2018年10月号をご覧ください。

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