https://slenderierecord.futureartist.net/
http://djkh.jp/

ホイットニー・ヒューストン、ボン・ジョヴィなどの“洋楽モノマネ”でも知られる椿鬼奴がソロ・デビュー作『IVKI』をリリース。堂島孝平のプロデュースによる本作は、仮想アニメ『超空のギンガイアン』のストーリーをもとに作られたコンセプト・アルバム。シンガー・椿鬼奴の魅力が詰まった本作について、椿、堂島に語ってもらった。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:森 朋之

──椿鬼奴さんのソロ・デビュー作『IVKI』がリリースされます。まず“架空のアニメーション『超空のギンガイアン』のストーリーをもとに作られたコンセプト・アルバム”というのが斬新だなと。



椿鬼奴(以下、椿)「そうですよね。たぶん、初めての試みだと思います。最初は“堂島さんのプロデュースで私のアルバムを作る”ということだけが決まってたんですよ。それを決めたのは藤井 隆さんなんですが」

堂島孝平(以下、堂島)「藤井さん、レーベルヘッドですからね。最初のキッカケは去年のアラバキロックフェス(ARABAKI ROCK FEST.17)の時、僕が藤井さんと椿さんをお呼びしたことだったんです。その時はコメディータッチの音楽ショーをやったんですが、それがすごく楽しくて。その後、3人でカフェライブをやらせてもらった時に、藤井さんから“実は椿鬼奴のソロ・デビューを考えていて”という話を聞いて。本格的に始まったのは今年の1月ですね。僕は“楽曲提供かな”と思ってたんだけど、藤井さんから電話で“プロデュースをお願いしたい”と言われて」



椿「楽曲提供とプロデュースではだいぶ重みが違いますね(笑)」

堂島「ええ(笑)。そこから“椿鬼奴さんに似合う曲はどういうものだろう?”とじっくり考え始めて。椿さんのモノマネのレパートリー、例えばホイットニー・ヒューストンみたいな曲にすると、聴いている人の中で“面白いスイッチ”が入っちゃう気がしたんです。このアルバムはリスナーの皆さんに面白がってもらうものではないし、椿さんのファンの方にも“やっぱりカッコいいよね。上品だよね”と思ってほしくて。その中で出てきたのがアニメソングというテーマだったんですよ」

椿「打ち合わせの時に、私が好きな音楽を話させてもらったんです。90年代の洋楽やポップスも好きだし、実はアニソンも好きなんです。私の場合、アニソンとの出会いはパチンコだったりするんですけど(笑)」

──『エヴァンゲリオン』などもパチンコ台になってますからね。

椿「そうなんですよ。色んなアニソンを聴いて“キャッチーでいい曲ばかりだな”と思っていたし、それがキッカケでアニメのDVDを観るようになったり。その打ち合わせの後、堂島さんが最初に作ってくれたのが『運命のリビルド』だったんです。めちゃくちゃカッコいい曲だったし、歌詞の横に“『超空のギンガイアン』オープニングテーマ”と書いてあって、私が喜んじゃって(笑)」

堂島「“ギンガイアン”が誕生した瞬間ですね(笑)」

椿「しかも私が大好きな“大サビ”も入れてくれていて。曲を聴いているとアニメが見えてくるような感じがあったし、私の中で“ギンガイアン”の存在がどんどん大きくなってきたんです。で、“『ギンガイアン』というアニメーションに関連する楽曲を作っていきましょう”ということになって」

堂島「まぁ、その時点で“『ギンガイアン』って何?”っていう話なんですけど」

椿「ハハハハハ! そうですよね」

堂島「最初はこうやって笑ってたんですけど、そのうちにみんなが真剣に“ギンガイアン”のことを考えるようになって」

──『超空のギンガイアン』のホームページを見ると、ストーリーやキャラクターも詳細に書かれていて。ディテールへのこだわりがすごいですよね。

堂島「最初は椿さんが見た夢がもとになってたんですよ」

椿「四神(中国の神話に登場する東西南北を司る霊獣)ににらまれて、“ヤバい!”と思ってる場面を夢で見て(笑)、そこからストーリーを膨らませて。アニメに詳しい天津の向 清太朗さんに手伝ってもらって、脚本を考えたんですよ」


※続きは月刊Songs2018年10月号をご覧ください。

ページを閉じる

Topページを開く