三浦大知 |
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───年明けはお休みできたんですか?
「はい。5〜6日くらい休みがありました。色々考えられたし、少しゆっくりできましたね」
──“考える”っていうのは、2014年の活動のこと?
「今年の流れは大体決まっているから、僕ができるのは“目の前にあることをちゃんと具現化する”ということだと思うんですね。だから、4月から始まるツアーのことを考えていました。まず“どんなライブにしたいか”っていうのを決めて、それに沿って“こんな演出があったらいいな”っていうことも考えて」
──なるほど。今回のシングル『Anchor』は、大知くんの楽曲を数多く手掛けているNao’ymtさんの楽曲。制作はどんなふうに進められたんですか?
「今回はドラマ(『夜のせんせい』)に合わせて作るっていう形でした。こういう書き下ろしって、今まであんまりなかったんですよ。1つのテーマにフォーカスを合わせて作るっていうのもすごく楽しかったですね」
──ドラマのイメージに合わせて作った、と。
「観月ありささんが演じるドラマの主人公の先生がちょっと面白いキャラクターというか、突拍子もないことを言い出したり、掴みどころがないイメージなんですね。だから、ユニークでスピード感のある曲がいいかなって、最初は思ったんです。でもドラマのスタッフさんに話したら、“希望を感じられるような温かい曲を作ってみてくれませんか”と言われて。ドラマでは、色んな世代の人が夜間の学校に通っているんです。そこには“人生の第二の青春”みたいな雰囲気もあるし、最初はバラバラだった人達が、最後は1つになっていくというストーリーもあって。そこに沿いながら、希望をテーマにして作ってもらったのが『Anchor』なんですよね」
──すごくクオリティーの高い曲ですよね。ドラマの趣旨にも合っているし、R&Bが好きな人にもJ-POPファンにもしっかり届く力があるというか。
「Naoさんはいつもメロディー、歌詞、トラックが同時に出てくるんですよね。『Black Hole』(3rdアルバム『D.M.』収録曲/2011年11月)という曲もそうなんですけど、“同時に出てこないと、表せないだろうな”と思うような曲が多くて。そういう感じもありつつ、ちゃんとテーマに沿って作れるっていうのは本当にすごいなって思います。自分としてはこの曲をいかに表現するか、より意味を持たせられるか?というところですよね」
──“誰かの顔うかがって/満たされぬ結果 眺めてたって/自分を越えることなどできない”という歌詞も印象的でした。
「ただ単にキレイな希望を歌っているだけではないんですよね。ちゃんと地に足が着いているし、現実的な部分も表現されていて。現実と希望の距離感を上品に保ってくれているのも、すごくいいなって思いますね」
──大知くんは人の顔色をうかがったり、他の誰かと比較して、やりたいことができなくなることはなさそうですね。ちゃんと自分の意志を持って行動している、というか。
「あ、でも、人の顔をうかがうことはあると思います。誰かと比べることはないですけど、“この言葉を言ったら、この人はどう思うだろう?”っていうのは普通の気遣いだと思うし。あと、“みんなで作ってる”っていう感覚も強いんですよね。自分の考えが100ではなくて、みんなで考えて、色んな意見を出し合いながら曲を作ったり、パフォーマンスを組み立てていくので。1人だけではできないですからね」
──『Anchor』のミュージックビデオにも当然、制作に関わる人達の意見やアイデアが入っているわけですからね。
「今回は今までにない感じに仕上がっていると思いますね。珍しく、僕とダンサー以外の人達も出てくるんですよ。色んな人達の苦悩や葛藤を映像で表現するために、映画のカットバックのような感じになっていて。最後にダンスシーンがあるんですけど、それも今までとは違う雰囲気だし…。もしかしたら、一番難しかったかもしれないですね」
──どういう部分が難しかったんですか?
「まず“ダンスっていう感じでもないよね”っていうところから始まったんです。映像的にはダンスのシーンがあったほうがいいけど、ちゃんと意味を持たせた振付にしないといけないなって。そこが入口だったんですけど、自分にとっても良いチャレンジだったし、新しさと三浦大知らしさを表現できたと思います。ダンスシーンのロケーションも良かったんですよ。キレイな夕陽をバックにして」
──時間との勝負ですね!
「うん、まさに。夕陽の時間を狙って、ミスなく踊るっていう。いい緊張感があったし、すごく楽しかったですね」