高橋優 |
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──新曲『太陽と花』は、ドラマの主題歌として書き下ろされたんですか?
「そうですね。ドラマのプロットを拝見しまして」
──これまでもドラマの主題歌として書き下ろすことはあったと思いますが、今回ならではの部分はありましたか?
「今回はドラマのテーマが“復讐”ですし、医療サスペンスじゃないですか。我々も実際に行く病院という場所に、復讐されなきゃいけないような人達がいるっていうドラマだから、何か怖いようなイメージがあったりもしますよね。でも僕は、復讐っていうもの自体を肯定する曲は書きたくなかったんです。それがテーマのドラマとはいえ。“こういう感じで”というドラマの方からのリクエストは生かしつつ、少なくとも歌詞の中の世界では自分なりの解釈を書きたかった。これまでやらせていただいた主題歌としての作り方とそんなに大きくは違わないんですけど、“復讐って何なんだろう?”って自分なりに分解していった結果が、この『太陽と花』になっていきましたね」
──分解しながら答えに辿り着いていく過程、聞かせていただけますか?
「上野樹里さん演じる医師の水野明日美は、とある医療の現場でひどいことをされ、その悪いことをやっている医者達を裁いてやろうと復讐していくんですね。だけどその悪い医者達はその1回だけでなく、毎回色んなところで悪事を働いている。他の現場でも色んな患者さんに対して、いっぱいお金をもらっておきながら自分の利益のために人を泣かせて、人を傷つけて、バカにして生きている。僕は、復讐は好きじゃないし絶対に良くないけど、その悪い人達の行動をストップさせるためにやっているんだとしたら、それは“縁の下の力持ち”なんじゃないかと思ったんですよ。誰にも気付かれずに自分の手を汚して、遠回しに誰かを助けているんじゃないかって」
──そういう見方もできますね。
「だけどその主人公に限らず、いわゆる縁の下の力持ちの人って、誰にも分からないように、孤独な精神状態でそういうことをしているわけだから、理解されがたいしフィーチャーされることもないじゃないですか。“お前、頑張ってるな”“よくやってるよ”なんて評価もされない。となると、“お前の頑張りのおかげで今の僕があるんだ”って言ってもらえる人なんて、この世の中、すっごく少ないと思うんですよ。スポットライトを浴びている人の陰には、誰も知らない苦しみとか孤独を抱えながら、表に立つ人の何十倍も頑張っている人達がたくさんいる。そういうところから、『太陽と花』というコンセプトが生まれたんです」
──なるほど。
「今さら“太陽のおかげで生きてます”なんて言う人はいないし、太陽観察だって小学校でやるくらいでしょう? そもそも太陽はまぶしすぎて直視できないし。だけど世界にたった1つしかなくて、今もなお、何も言わずに僕らのことを照らし続けている」
──“太陽は自らを焼いて光る”と歌詞にもありますね。
「そういう太陽みたいな人達がたくさんいるんだというふうに、“復讐”を自分の中で解釈していったんですよ。自分の周りにもそういう人達がたくさんいて、その人達のおかげで咲けてる花があるんだって」