槇原敬之 |
http://www.makiharanoriyuki.com/ |
──今回はローマとナポリの旅だそうですが、ローマではクラシック音楽の原点と言われているグレゴリオ聖歌、ナポリでは『オー・ソレ・ミオ』や『フニクリ・フニクラ』などに代表されるカンツォーネの原点に触れるそうですね。
「そうなんですよ。グレゴリア聖歌はハモらない賛美歌で、聖歌隊とかもすごいらしいんですよね。ナポリ民謡であるカンツォーネも独特の発声法があるみたいなんですけど、そういうのを知りたいんですよ。(U2の)ボノとかジョージ・マイケルとか、世界的に歌が上手い人はカンツォーネを通っているそうなので、僕もここでちょっとゲットしたいなと(笑)」
──(笑)。旅をするにあたって、心掛けていることは何かありますか?
「僕という媒体を通して、いわゆるガイドブックに載っていない楽しみ方みたいなものを伝えられたらいいなとは思っています。前回のスペインでは本当に刺激というか衝撃を受けたんですよ。マドリッドとかに行けば情報もたくさんあって都会的なんでしょうけど、アンダルシアとなると情報量が少ないじゃないですか。だから“行ってみたら意外と普通じゃん”って感じだったりするのかなとも思ってたら、実際は全くそんなことなく、若い子達も本格的な民謡が当たり前のように歌えたりして、しっかりそういうものが残ってた。逆に、ここでは“リッキー・マーティン聴いてるんだ”とかね(笑)」
──行ってみないと分からないことを楽しむと。
「その国の人が愛している音楽に触れられたらいいなぁって、それはいつも思っているんです。今回はより“歌”に触れる旅になりそうなんですけど、歌って楽器がいらない分、一番世界に共通してあるものなのかなと思うので、テーマとしてもすごく面白いなと思っているんですよね。カンツォーネなんて歌えるかどうか分からないですけど(笑)」
──本場での特訓を経て行なうスペシャルステージもあるそうですが。
「内容に関してはあまり知らされてないので怯えているんです(笑)。でも40歳を過ぎてからは恥ずかしいものがなくなりましたからね。それまでは人前で違うことをやるのが恥ずかしかったけど、今は全然。自分がそこでどこまで楽しめるか、やってみたいなと思いますよ。(賞でいうところの)佳作ぐらいはとりたいかな(笑)」
──期待しています(笑)。
「次の作品から、歌い方が突然変わったりしてね(笑)。喉もすっごい開いた感じになって、ライブもアカペラでやっちゃうみたいな(笑)」