Chara *撮りおろし3ページ |
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──ニュー・アルバム『Secret Garden』、慈愛と滋味に溢れた素晴らしいアルバムだと思います。制作にあたって、何かテーマみたいなものはあったんですか?
「テーマはいつも“私”なんですよね。その時の私だったり、そこに生きている私だったり。もちろん、それまでの経験も含まれてるんですけどね。小さい時から音楽が好きだったし、4歳くらいからの記憶が残っているから、けっこう色々あるんですよ(笑)。その中で“いいな”と思った音だったり──洋楽が多いですけど──自分で曲を作るようになってからの経験、楽器を触っている中で感じたことだったりも入っていて。今回はね、わりと鍵盤が多いんですよ。故郷に戻ったというか、すごく素直に作れたんじゃないかなって」
──Charaさんの個性、“らしさ”もたっぷり出てますよね。
「そうだね。言葉の符割りとかには、けっこう独創性が出てると思います。“ほぼ聴き取れない”みたいなところもあるかもしれないし(笑)、曲によってはハッキリ言葉を伝えているところもあって。そのバランスは私の特殊技術みたいなものだし、きっと分かる人には分かると思うんだよね。ほら、赤ちゃんが泣いててさ、お母さんとかベビーシッターさんとかは“そうかそうか”って言いながら抱っこすると泣きやんだりするじゃない?」
──どうして泣いてるか、分かる人には分かりますよね。
「そうそう。ある種、それと同じようなことなのかなって(笑)。それは自分にとって必要な部分だと思うんですよね。これは良いところでも悪いところでもあるんだけど、自分のアーティスト性を守ることをプロデュースしてるというか。“それをやったらカッコ悪いよね”とかね。レコーディングの時も“デモのほうが良かったから、そのまま使っちゃおう!”って言い出したり。そういうことも自然にやれたと思いますね、今回は」
──クリエイティブに向かう時の純度がさらに上がっている?
「あのね、今日もずっと考えてたんだけど、いかに純粋に生きるかによって、芸術的な要素が出てくると思うんですよ。うちの子どもってすごく素直に育ってるんだけど、“素直に生きてるっていうだけで芸術だな”って思ったりして。もちろん、そういう愛する者達からの影響もあるよね、無意識のうちに」
──『Secret Garden』というタイトルは、どんなところから生まれてきたんですか?
「“タイトルはこれだな”って確信的になったのはアルバムができてからなんですけど、ずっと気になってる言葉だったんです。ミニー・リパートンの『Come To My Garden』という曲があるのね。女神風のイントロから始まって“Come To My Garden〜”(←と口ずさむ)ってセクシーな感じで歌うんだけど、それもずっと心の中に引っかかっていて。そこからかな、“子宮”をイメージし始めたのは」
──『Secret Garden』=子宮っていう結びつきも、Charaさんらしいセンスですよね。
「私ね、子どもが欲しいの(笑)。小さい時から“子どもは3人欲しいな”って思ってたし。私は2人姉妹なんだけど、親に“もう1人いれば良かったのに”って言ったりして。それは密かな夢なんだけど、年齢的なことを含めて“そろそろリミットかな”なんて思うと切なくなったりして。で、こんな彫刻(←ジャケットに描かれている女神風の彫刻)になっちゃったっていう(笑)。前回の『Cocoon』(2012年10月)の時も、同じようなイメージがあったんですよ。“男の人に彫ってもらってこういう形になったけど、見て、中は空洞よ”みたいな。“無理に埋めることもないわ、このままでいましょ”と思っているうちに、空洞の中に花が咲くっていうイメージだったんだけど、気が付いたらちゃんと埋まってたんですよね」