ナオト・インティライミ *撮りおろし5ページ |
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──ベスト・アルバム『THE BEST!』、まずこのジャケットがすごいインパクトですね。
「スゴいでしょう!? このカラフルな楽器、実際にペイントされているものなんですよ。僕のアルバム『Nice catch the moment!』(2013年5月)のジャケットも手掛けてくれたドラゴンさん(※DRAGON76)によるものです。そしてバックは東京の街並。左下の日本武道館、右側には東京タワーもあって、数日間かけ徹夜して作ってくださったものなんですよ」
──アートワークも含め、色んな方の思いが詰まったベストという感じですね。
「本当にそう。この作品を出すにあたって、ここまでの5年間をようやく立ち止まって振り返ったんですよ。この5年、フルテン(ション)でいってましたからね(笑)。(アクセル、)もう踏めないって言うくらい踏んでたから(笑)」
──確かに(笑)。
「でも、いわゆる人生のゴールデン・モーメントじゃないかなと思った。世の中に飛び出していけたわけだからね」
──なるほど。改めてお聞きしたいんですけど、ナオトさんはもともとこのメジャーのフィールドで活動したいと考えていたんですか?
「考えてましたね、最初から。とは言え、インディーズの時と変わらないんですよ。こんなに自由に伸び伸びとやらせてもらえるのは、珍しいことなんじゃないかと思うくらいですから(笑)。自分の表現というものを、本当に信じてもらえてる。でも、僕の考えていることややりたいことは、インディーズのシーンでは収まりきれないというか、ライブとか音作りに関してもそうだけど、一流の人が集まってくることで、自分の思い描いているアイデアがより形にできると思ったんです」
──実際、デビューから8か月で日本武道館でのライブが実現しましたしね。
「まぁ、そういうのも含めてですね。…でも、そんなデビュー8か月で、まだ大して売れてもいないのに、月曜日の武道館をやろうなんて思いますかね(笑)」
──(一同爆笑)。
「どんだけ無謀なんだよっていう(笑)。だけど、武道館はサンクチュアリですからね。日本人の歌手としてあの舞台に立つというのは、1つの夢でした」
──やってみてどうでした?
「でも今思えば、あれって1日だけのスペシャルコンサートでしょう? どれだけのエネルギーを注ぎ込んだかっていう話ですよね。今だったら、去年もツアーで9箇所15公演のアリーナをやらせてもらいましたけど、あれって、1回作り込んだものを15回できるわけじゃないですか。でもあの武道館のライブは、スタッフも僕自身も、あの1回のためだけにものすごい情熱を注いでた。というか、むしろ僕は完全にキャパオーバーしてましたからね。初めてのホールクラス、しかも初の武道館で、あれもやりたいこれもやりたいって状態でしたから。今だったらあそこまでの詰め込み方はしないし、できないなって思いますよね」