清水翔太 *撮りおろし4ページ |
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──ベスト・アルバム『ALL SINGLES BEST』を引っ提げた全国ツアーも大成功。清水翔太さんにとっても節目となるツアーだったと思うのですが、手応えはどうでした?
「終わったばっかりで、まだ実感がないんですよね。僕としても特別な思いがありましたけど、自分はやりたいことを表現するだけだし、ライブに来てくれる人達が何を感じてくれたのかは分からないので…。もちろん手応えはすごくあったし、楽しんでくれてたらいいなって思いますね」
──今回のツアーでは、初の大阪城ホール公演も実現しました。
「デビュー前は“城ホール”の真ん前でストリートライブをやっていたし、ずっと憧れていた会場ですからね。当時はグループで活動してたんですけど、そのとき一緒だったメンバーの1人がダンサーとして自分の後ろで踊ってくれていて。感慨深い部分もありました」
──ベスト・アルバムのリリース、デビュー7周年のツアーを経て、新しいフェーズに入っている感覚もありますか?
「うん、そうですね。プロとしてやっている以上、周りの人からの“こういうことをやってほしい”という思いもあるし、僕自身もやりたいことがあって。上手くバランスを取りながらやっていくわけですけど、ベスト・アルバムが出せるまで頑張ってきたし、ここからはさらに制作の自由度が上がっていく感じがあるんですよ」
──ニュー・シングル『花束のかわりにメロディーを』にも、清水さんの創造性がしっかり反映されていると思いました。素晴らしいラブソングに仕上がっていますが、どんなテーマを持って制作に入ったんですか?
「一番最初は“絶対に女の子をオトせる曲を書こう”と思ったんです(笑)。こういう言い方をすると軽くなっちゃうかもしれないけど、キッカケはホントにそういう感じだったので。そこからどんどん意味合いが深くなっていって……これまでにもラブソングはいっぱい書いてきたんですが、今までは自分自身が(歌詞の中に)それほど見えないバランスを意識していたところがあったんです。自分を見せずに、上手くドラマティックにするというか。でも今回は“自分にしか書けないラブソングって、何だろう?”と考えたんですよね。そのためには自分の人間性や価値観を楽曲に投影しないとダメだなって思って、さらに音楽に投影できる自分のアイデンティティーについて考えて」
──深いですね…。
「そのときに“僕は音楽だけで生きてきた人間なんだな”って改めて思ったんですよね。音楽以外は何もできないんですよ、ホントに。勉強も全くしなかったし、スポーツをやったこともないし、人間的にだらしないところもあるし。まぁ、アーティストはそんなものだと思うし、それはそれでカッコいい部分もあると思うんだけど、そういう人間性と恋愛をどう絡めたらいいのかなって」
──そこから『花束のかわりにメロディーを』のストーリーに繋がったわけですね。
「そうですね。ダメなヤツが素敵な女性と出会って、すごく好きになるんだけど、最初は全然相手にされなくて、でも、どうしても好きだから、その人のために一生懸命になって。僕の頭の中では“男の人が必死でピアノの練習をして、震えながら好きな人に向けて歌う”というイメージがあったんですよね。何にもできないけど、自分が一番大事なものを捧げるっていう。それは自分っぽいなって思ったんですよね。僕はホント、モテないので…」