DAOKO *撮りおろし3ページ |
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──本誌先月号でもレポートしましたが、渋谷WWWで行なわれた初ワンマンライブ、素晴らしかったです。
「ありがとうございます。緊張がハジけて、思わず楽しくなっちゃいました(笑)」
──生の楽器の音や映像、オーディエンスの歓声など、あの日もDAOKOさんを取り巻くたくさんの要素がありましたが、以前にも増して“言葉”がすごく際立っている印象を受けました。
「どんな人にもきっと“言葉の力”ってあると思うんですけど、たぶん私はそれが結構強いほうで、ライブになるとより引き立って届くのかなと。そういうのを披露する場ってなかなかないから、ライブの大切さというかやる意味っていうのは、そこにもきっとあるんだろうなって思います。時間差なしに、その人の言葉の力を生で体感できるわけですからね」
──あの日はどんなイメージを持って臨まれてたんですか?
「来てくださった皆さんに絶対楽しんでもらって、何か心に余韻を残すようなものにしたいとは思っていたんですが、終わってから思うことが結構あって。もっと、総合芸術としてのライブにしたいなという気持ちが高まったんです。私は絵を描いたりもするんですけど、演出にしてももうちょっと自分が介入できるところは介入していくと、DAOKOワールドが全開になるのかなって。DAOKOというものを引き立てるにはどうしたらいいのかなって、結構考えるようになりました」
──ここから何かが始まっていくような、ワクワクする瞬間に立ち会えていた気がします。
「希望が見えるスタートなら良かった(笑)。大切な仲間であり、DAOKOの一部でもあるメンバーと一緒に、記念すべき第一歩を踏み出せたなと思っています。すごく大事な、初めの一歩。次はもっともっと高みに臨めるよう、角度を上げていきたいなと思いましたね」
──その初ワンマンで、今回リリースされる新曲も披露されました。まず『さみしいかみさま』とカップリングの『ゆめみてたのあたし』ですが、この2曲を起用したアニメーションMUSIC VIDEO(映像作品としてのタイトルは『GIRL』)も話題ですね。
「はい。以前『ME!ME!ME!』という作品でもご一緒した、スタジオカラーの吉崎(響)監督とやらせていただきました。吉崎さんとはすごく似てるというか、男女が違うだけで、物事に対する感じ方とかが近いんですね。レコーディングにもいらっしゃるくらい、音楽の面にも興味を持ってくださってたことがすごく嬉しかったです。心の共同作業みたいな感じでしたね」
──DAOKOさんの曲自体はどんなふうに作っていったんですか?
「映像のこともありましたけど、それ以前に自然と、気持ちを吐露するように、心を削りながら書きました。だから自分の子どもというか、分身みたいな曲。普段考えていることがそっくり歌になっているような感じです。いつもは心を閉ざして自分の中でしか話していないような内容なんですけど、それがこの機会に引き出せたというか」
──でも決して自問自答では終わってないんですよね。
「そうですね。この曲では愛というものがテーマとしてあるんです。私もそうなんですが、女の子はみんな愛されたいって感情があって、それって何なんだろう? ってところから愛について考えてたんですね。私は世の中に対して疑心暗鬼なところがあるんですけど、それでも愛があるから繋がっていられる、普遍的なもの。私もお父さんとお母さんの愛から生まれてきた者だから、愛に生まれて愛に生かされてる中で、愛というものをテーマにした作品を作るというのは、自分にとっての使命じゃないですけど、かなりやってみたかったことでもあったんです」