スキマスイッチ *撮り下ろし5ページ |
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──スキマスイッチのカップリング曲は本当に素敵な曲ばかりなので、こうして1枚にまとめられたことが喜ばしいです。
大橋卓弥(以下、大橋)「そう思ってもらえたら嬉しいですね」
──カップリング曲集を作ろうというのは、以前から考えていたことなんですか?
常田真太郎(以下、常田)「アイデアとしては前からあって、タイミングを図ってた感じなんですけど。去年、ツアーが終わったあと今後のプランニングをいろいろ考えている時に、これまでとはちょっと違う進め方をしてもいいんじゃないかっていう話が出てきて。“ずっと言ってるアレ、いよいよなんじゃない?”っていうことになったというか」
──この作品単体で考えたというより。
常田「全体で。シングルを何枚か出してアルバムを出してツアーをして、っていう流れを崩したかったのが一番大きかったですね」
──それはなぜだったんですか?
常田「聴いてくださる方も僕らも、次はシングルだな、そろそろアルバムかな、じゃツアーはとか、何となくルーティーンみたいになってきてるのかなって。だからツアーもオールタイムの中から選曲してやるっていう、新しい形を作れればと思って。そこでカップリング曲を集めたものを出すっていうのも面白いのかなぁって」
──しかしすごく刺激的な曲揃いですね。
常田「振り切れた、端っこばっかりの濃い~い曲が多いので。改めて聴いてみると、力量以上のことをやろうとしていることも多くて、それがすごく面白くて」
──実験という側面は多かったですか?
大橋「カップリング曲を実験の場にしようと思ったのは、かなり初期の頃からで。本線と平行に走ってる、もう1つのラインが欲しかったんでしょうね。例えばエレキを使わないとか、本線では自分達で縛りを作ってやっていても、別のラインではエレキも打ち込みも何をやってもいいとか。どっちも自分達だから、わざわざ決めなくてもいいんですけど(笑)。実験室っていうことで、自分達なりに腑に落とす感じなんですかね」
常田「自分達に対しても発破をかけられますし。“できるかなぁ……”“実験だからやってみよ”って。だから実験っていうか、トレーニングっていうか、特訓っていうか。ずっとそんな意味合いで来ましたね。あと、作ったもののアルバムに合わない、っていう時の駆け込み寺みたいな。ホント助けられたと思います、カップリングという立ち位置に」
──特に思い出深い曲というと、どうです?
常田「『さみしくとも明日を待つ』はGRAPEVINEさんと録音した曲で。とにかく緊張したことを鮮烈に憶えてます。バンドと一緒に一発録りというのもですけど、個人的に憧れてるバンドだったので。そんな日が来るんだ、って思った覚えがありますね」
大橋「僕は『Aアングル』『Bアングル』が好きですね。サビが同じメロディーで、アレンジと歌詞が違うっていう企画で。でも『Aアングル』を出した時は何も種明かしはせずに、『Bアングル』が出て、アルバム(『ナユタとフカシギ』)の『8ミリメートル』で全てが分かるっていう。シングルを聴いてくれた人に対しての、僕達なりの楽しみ方の提案っていうか。それがすごくうまくいって、自分達でもすごく納得のいく企画だったなって。あとは『ためいき』」
常田「そうだね」
大橋「『ためいき』は僕が弾き語りしたものに、あとからバンドに演奏を乗っけてもらう企画で。クリック(メトロノームのようなもの)を使わないから僕の演奏を軸にして、そこにみんなが合わせてくれるんですね。でもブレイク後、次の1拍目で入るところとか、もう呼吸だけで合わせていく感じなのにピッタリ合って。あれはすごかったですねぇ」
──『僕の話-プロトタイプ-』もいいですよね。
常田「あれは本当に手作りで。ミックスこそエンジニアさんにやってもらいましたけど、音源から何からすごく古いものですね」
──こういうものも聴かせてもらえるというのが、リスナーとしては嬉しい限りです。
常田「そう思ってもらえると嬉しいですね。捉え方ひとつなので。でもその気持ちは分かります。僕も逆の立場だったら聴きたいのは、そっち、昔のだよって思いますもん」
──さらに今回はボーナストラックとして新たにもう1曲、昔の曲が収録されていますね。
常田「今回の中でも一番古いですね」
──いくつの時に作った曲なんですか?
大橋「19歳の時……?」
常田「1999年の12月にスキマスイッチを組んでるから。……ってことは98年か、97年の話だから18、19だね」