空想委員会 *撮り下ろし3ページ |
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──今回のシングルは両A面。まず『ビジョン』は、アニメ『遊☆戯☆王ARC-V』(テレビ東京系)のエンディング曲ですね。
佐々木直也(以下、佐々木)「中学校の頃とか、『遊☆戯☆王』のカードゲームにハマってたので、めっちゃ嬉しかったですよ」
岡田典之(以下、岡田)「いや、ホントに!」
佐々木「アニメのタイアップっていうのも初めてだしね」
三浦隆一(以下、三浦)「でも、さすがにプレッシャーでしたよ。もし逆の立場で“このアニメに、この曲!?”みたいに思われるのってイヤじゃん(笑)」
岡田「そうだね(笑)」
佐々木「ま、そういうの、数々あるからね」
──(全員爆笑)。そんな中で、今回はどうやって書いていったんですか?
三浦「主人公が全く分からないようなやつだったら難しかったと思うけど、結構同じようなことを考えてるなっていうのがあったんです。だから歌詞は、むしろやりやすいぐらいで。自分が思っていることを歌えば、主人公とリンクするかなっていうのが見つけられたんです」
──詳しく聞かせてもらえますか?
三浦「主人公はもともと弱くて、その弱さを隠すためにニコニコしながら生活してるような子なんです。でも『遊☆戯☆王』の戦いを通して、周りの人のことをだんだん信じていきながら成長していくストーリー。それって、去年の夏に出した『GPS』っていうミニ・アルバムを作りながら僕が思っていたことと、全く同じだったんですよ。僕はファンの人、メンバー、スタッフのことを信用できているから、のびのびと自分が出せている。だから今回はアニメのことだけでなく、自分のこととしても歌えたんですよね。アニメのエンディング曲として書き下ろしたけど、空想委員会としてずーっと歌っていけるだろうなっていうものができました」
──『ビジョン』というキーワードについては?
三浦「『遊☆戯☆王』の中で出てくる言葉なんですが、そのワードを自分の生活に置き換えたら、僕にとってのビジョンは何か? っていうふうに繋がることができて。ビジョン、つまり僕を映す鏡は一番近くにいるメンバーだし、もっと言えば、周りの人はみんなビジョンなんだよっていうふうに落とし込めたんですよね。そうやって、アニメの重要なキーワードのビジョンと、僕のビジョンが一致したんです。僕は音楽で、彼はカードで戦うんですけど、言ってることとかやってること、考えてることなど、根本は一緒だろうなっていうのは思いましたね」
──完成までの過程はどうでした?
佐々木「僕は作りながら常に、“オープニングを超える!”。それしか考えてなかったです。エンディングで全部食ってやる! ぐらいの気持ちで。だって、開始2秒で鳥肌立つ曲だと思ってますから。ちなみに、僕らがエンディングをやるって発表した時、ちょっと合わないんじゃないかみたいな意見が聞こえてきたんですけど、それも全部覆します(笑)!」
三浦「(笑)。でも“合わない”って言われてる段階で、空想委員会の色とかイメージがその人の中にあるわけだから、すごくいいことなんだよね」
岡田「確かに。今回はテーマをいただいて作るっていう、僕らにとっても初めてのやり方で臨んできたんですけど、なぜか最初から“このメンバーだったら絶対にいいものができる”っていう自信はあったんです。実際曲としてもいいものが作れたし、与えられたものを自分達のものとして昇華させながら“形”にできたことは、本当の意味での自信にもすごく繋がった気がします」
──サウンド面に関してはどうですか? 開始2秒で鳥肌という言葉もありましたが、“ダメじゃない”という歌始まりの部分もすごいインパクトですよね。
三浦「インパクトは意識しました。番組のエンディングで聴いても頭に残るような言葉を使いたかったので」
佐々木「歌から始まるんですけど、そのバックに鳴ってる音をエレキのアルペジオでやってます。ジャーン! と弾くんじゃなくて、アルペジオでちょっと壮大にしながら広げていく感じ。切なさと、ちょっと明るさもほしかったのでアコギも入れてます。打ち込みのドラムは心臓みたいな感じを意識しました」
岡田「このバンドはギターと歌を聴かせたいと思っているので、今回もベースはそのバランスを大事にしました。マイナーから希望を感じるメジャーへ、コード感でも主人公の気持ちの変化を表しています」