──今年2月15日で、デビューからちょうど5年。本誌ではデビューの時からずっとお話を聞いてきたので、自分のことのように嬉しく思いました。



「ありがとうございます。そうやって自分の歩みを知ってくれてる人がいてくださることや、“あの番組、見たよ！”とか“レオちゃん、あそこで歌ってたよね”って言われたりして、あぁ、誰かの日常に自分の存在とか音楽があるんだって思えることが本当に嬉しくて。まだまだ面積は小さいかもしれないけど、その人の中にそういう気持ちを持ってもらえてること自体すごいなと思うし、それがもっともっと大きくなっていってくれたらいいなぁって、改めて思いましたね」

──5周年を記念して、初のベスト・アルバムもリリースされますね。

「はい。正直5周年というくくりで考えた時に、日本武道館も含め、ライブで見せていきたいなというのはあったけど、リリースに関してはあまり考えてなかったんです。オリジナル・アルバムに懸けてきた思いというのがすごくあるので、ベストってどうなのかなって思ってたんですよ。でも5周年って私だけのものじゃなくて、応援してくれた皆さんのものでもあるわけだし、こういう機会じゃないと“振り返る”みたいなこともしないですからね。作るからには、自分らしさとかこだわりもしっかり反映させたものにしたいと思って完成させました」

──ジャケットなど、ビジュアル面にもかなりこだわったそうですね。

「そうなんです！　今回は、デビュー曲の『サブリナ』でお世話になったアートディレクターの関口さんにお願いしたんですよ。ベストなのでどう見せようかなと考えた時、ここはやっぱりもう一度戻りたいなと思って。（初回限定盤Bでは）デビュー当時のスキニーとブーツからスカートへ視覚的に変わった部分も表現されてるんですけど、これ、何もいじってない本当の青空なんですよ」

──デビュー当時は雨女だったのに（笑）。

「そう、そこも変わりました（笑）。あと通常盤は、屋上から街を見下ろしてるんですね。私は東京っていう街に育ててもらったなっていうのがあるし、自分はここで色んなストーリーを作ってきたんだって思いもあったので、こういうアートワークにしてもらったんです」

──カフェにいる初回限定盤Aはどんなコンセプトで？

「これまでの楽曲って、聴いてくれる皆さんの日常に寄り添えればいいなという気持ちでリリースしてきたから、このベスト・アルバムをリリースするにあたっても、ヘンに作り込まれた世界じゃなく、日常に私がいるほうがより説得力を持つんじゃないかなと思ったんです。それで、カフェでコーヒーを飲むっていう私の日常を切り取ったものにしたんですよね」



──ビジュアルひとつとっても、色んな変化が刻まれてるんですね。気持ちの面ではどんな変化を感じてますか？

「年々、楽しくなってます。ある人に“レオちゃんは1年1年重ねることによって、きっと生き方がラクになるだろうね”って言われて、何かすごく気持ちがラクになったんですよ。確かに、パンパンに膨らんでた風船に少しずつちっちゃな空気穴が空いていくような感じというか、自分を邪魔してるもの──自意識みたいなものかもしれないけど、それがちょっとずつしぼんできている気がしていて、年々“イイ感じ”になってるなって思うんです。もちろん5年やってきて、“もっといいものを出さなきゃいけない”ってハードルは高くなってきてるんですけど」

※続きは月刊Songs２０１７年３月号をご覧ください。