加治ひとみ *撮り下ろし3ページ |
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──まず、1stフル・アルバムがリリースされた率直な感想から聞かせてください。
「ひと言で言うと、すごく満足しているので、感無量ですね。本当に自分の言いたいことに合う楽曲をチョイスさせてもらったし、1曲1曲にかなり時間をかけて制作した分だけ、思い入れも強くなっていて。本当にジャケット通りに“丸裸=ネイキッド”っていう感じだし、今の加治ひとみの全てをさらけ出せたと思います」
──全12曲の中で、特に自分らしい曲を挙げると?
「うーん……『Cover Girl』と『butterfly』ですかね」
──恋愛ソングじゃないんですね!? この2曲は、恋愛がベースにはなっていますが、“本当の私”“本当の自分”がテーマになってますよね。
「そうなんですよ。正直に言えば、やることがないから恋愛してただけで(笑)、恋愛依存症なわけではないんですね。何に対しても満たされないから、恋愛してたっていうのが正しくて。『Cover Girl』は21〜22歳の頃に書いた曲なんですけど、世の中に自分を着飾ってカワイくしている子って、たくさんいるじゃないですか。自分は他の子とは違う何かを持ってるはずっていう気持ちで上京してみたら、意外とみんなと一緒で、これからどうしよう? っていうため息交じりの気持ちを歌ってるというか」
──例え、恋愛がうまくいっていても?
「好きな人と付き合えたり、好きなものが手に入っても、だからこそ、手に入らないものがあるんだっていうことに気づいたんですよね。周りから見たら自分はリア充のはずなのに、全く満たされてない。それは、自分の価値に自信がないからだっていうことに気づいて。自分に足りないものが見えすぎちゃった時期だったんです」
──自分には何もないという空虚さに気づいてからどうしたんですか?
「本当に何もやってなかったんですけど、15歳くらいから毎日、日記だけはつけていて。その時の私に唯一あったものが、無駄に書き続けた日記という名のポエムと、実家がバーなので、J-POPをカラオケで歌い続けてきた環境、それと、人よりちょっと遊んできた経験しかなかったんですね。そこを生かした職業が音楽だったんです。母親も音大を卒業して音楽系の仕事をしていたので、よくよく周りを見渡せば、音楽が常にあったなって思い、シンガーを目指し始めたんです。そこからがまた大変だったんですけど」