平原綾香 *撮り下ろし4ページ |
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──豪華アーティストの皆さんが“愛”をテーマに楽曲を書き下ろす“LOVE”シリーズ。その第2章となる『LOVE 2』が完成しましたね。
「前作の『LOVE』(2016年4月リリース)は大人な愛というか、寂しい愛をテーマにしたラブソングが多かったんですね。でも今回は2作目ということで、明るくハッピーなムードの曲が多めになっています」
──もともと、どうしてこういうアルバムを作ろうと思ったんですか?
「ずっと前から、憧れてる方々に楽曲を書き下ろしていただきたいなという夢は持っていたんですが、新作の話をしていく中で、プロジェクト・コントリビューターであり、デビュー当時からコンサートツアーも手掛けてくださってる伊藤一臣さんから、“素晴らしいアーティストが平原綾香のために書き下ろした楽曲で、アルバムを作ってみたらどうだろう”という案をいただいたんです。そこから色々な方にお願いすることになったんですが、テーマはやっぱり“愛”かなと」
──ひと言で愛といっても、解釈は人それぞれですよね。
「はい。でもどちらかというと、私はあまり複雑な愛をテーマにした作品とは程遠かったので(笑)、まずは大人な愛を歌ってみたらいいんじゃないかっていうことから、あの1枚目の内容になったんです」
──1枚目に収められていた玉置浩二さんの『マスカット』は、ちょっとザワつくくらい大人なラブソングでしたよね。
「歌詞の中に“まる裸にされた”なんてキーワードが出てきたりして、最初はびっくりしました。でも歌詞を読み進めていくうちに、涙が止まらなくなったんです。何だろう、この感覚は? って。愛って、今のその人を愛するだけでなく、子ども時代のその人さえも愛することなんだなって感じた1曲でもありました。それこそ、今まで歌ったことなかった愛の形。とても大好きな曲になりました」
──個性の強いアーティストの皆さんの楽曲を歌うというのは、シンガーとしてのチャレンジでもありましたか?
「もちろんとても難しかったし、チャレンジングでもあったんですが、『my Classics』シリーズでクラシック音楽をカバーさせていただいた時に、まずは、アーティストの方々の思いを全部受け取って、そこで伝えたいことは何だろう? と自分の中でしっかり考えて歌うことを続けてきたので、心づもりはできていたような気がします。でもひとつ問題だったのは、例えば玉置さんのように仮歌をご自身で歌ってくださったものを聴きまくっていたので、私の歌も“タマコ”になってしまってたんですよ(笑)」
──玉置さんならぬ、タマコさんに(笑)!
「気持ちを切り替えるのが大変でしたが、やはり素晴らしいアーティストの方というのは歌声に個性があるだけでなく、メロディーにも歌詞にもその人が詰まっているので、どう歌ってもその人になってしまうことがあるんですよね。中島みゆきさんの曲の仮歌は別の方だったんですが、歌うとどうしてもみゆきさんのようになってしまう。そんな葛藤もありつつでしたが、ご本人の歌声も含めて尊敬している方ばかりだったので、リスペクトの気持ちも込めつつ自分の歌を目指してレコーディングしました。でも今思えば、1枚目は出したことない声とかいっぱい出したんですよね。歌の勉強というか、本当に修行になりました」